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風が二十八筋 ページ32

「ぬしさま!」




声をかけられて、はっと目を覚ます



あの後、今剣たちと別れて何となく審神者部屋でぼーっとしてて、、、

あれ、、?き・お・くがない





「寝ていましたよ?雲様」




私の心中を察したようで、こんのすけが声をかけてきた




「、、、そっか、それで?」




どうしたの?と視線を投げかけると、近侍の彼は嬉しそうによってきた





「えと、私たち以外にも

ぬしさまを嫌っていない方がいるので、会いに行きましょう、、かと」



「、、、分かった。行こう」





念のために、と脇差を携えて、審神者部屋を後にする




もう、外は夕暮れで

まだ春だというのに、やけに冷たい風が吹き抜けていく









やがて、彼が足を止めた


誰かの部屋のようで、中にろうそくが揺らめくのが見えた




「、、、ここは、誰の、、?」


「、、、刀派、左文字です」






「、、、兄様、誰か来たみたいだよ」




私たちの会話が聞こえたようで、障子に映った少年の影が動いた





「、、、どうぞ、、お入り、、ください」




「じゃ、お邪魔しまーす」





その声に答えるようにして中に入ると、ツーンと血の匂いが鼻についた




中では、少年と髪の長いお兄さんが一枚の布団を囲んでいた


、、、所謂、重傷、というものなのだろうか





「、、、審神者、、あなたは兄様を直してくれる、、?」





蚊の鳴くような声で、少年がぽつりとつぶやいた




「もちろん」




否、この部屋丸ごと______綺麗になれっ!



しっかり意識して、集中して、、、イメージする!!!







間もなくして、彼らの傷もこの部屋もきれいになった




「ありが、とう、、、、ございます。私は江雪、左文字です、、、」





和睦、、、と呟く江雪の隣で、ピンクのお兄さんが起き上がった


辺りを見回してから、少年の頭を撫でた




「ありがとうございます。、、、お小夜もよく頑張りました」



ふっと微笑みながら、ちらりとこちらを見た




「、、、宗三左文字です

噂ならたくさん聞いていますよ?随分と変わった審神者だとか」




「ぼくは小夜左文字、、、さっきは、その、、、、兄様たちを助けてくれてありがとう」



「また何かあったら言ってね?、、じゃ、お邪魔しました」





彼らの部屋を後にした

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作者名:露草浅葱 | 作成日時:2018年2月19日 12時

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