風が二十五筋 ページ29
ぐうううう、、、
「、、、それよりも、お腹すいたんだけど」
たしか、人間の三大欲求？に中に【食欲】はあったはず
彼らの話を聞いている最中も、鳴りやまなかった
「、、、おなかですか？」
不思議そうにお腹をさする今剣
彼ら、刀剣男士にはそういった感情はないのだろうか
小狐丸と岩融は不思議そうに、首をひねっていた
「、、、たしか、厨房があったはずです」
こっちです、と襖の外へ飛び出し
外からこちらを振り返った、こんのすけ
その後ろについていくと、後ろから
私の背を追いかけてくる彼らの気配を感じた
「、、、燭台切がよく行っていたところだな」
「わーい！はじめていきます！」
「ぬしさまが行くなら、私もお供致します！」
その姿を見て、なんとなく思った
本丸に厨房があるのはきっと、人間である審神者のため
彼らは食べることなく、ずっと戦わされて、傷ついて
いつだって、審神者のためだけだったんだ
本丸というのは、随分と人間が住みやすく作られているらしい
いつだって、肩身の狭い思いをしてきたのは彼ら
文句を言うことも許されず、ただ従順に従いたくもない人間に従って
今まで、たくさん苦しんできた、、、と思う
いくら、私が神の存在を信じてないとしても
彼らのことを一人の人間として考えたとしても、これはひどすぎると思う
、、、なら、彼らはいったい何のために戦ってきたのだろう
メリットがなければ、戦いたいとも頑張りたいとも思えない
少なくとも私はそうだ
嫌いな勉強だって、将来のためと思うことで頑張れたというのに
いや、
そもそも、メリット・デメリットうんぬんの話じゃないのかもしれない
彼らは、そうせざるを得ない状況にいたのかもしれない
胸糞の悪い話だ
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作者名：露草浅葱 | 作成日時：2018年2月19日 12時
