風が二十一筋 ページ22
「その顔からして、雲様は理解できたと見えました
では、改めて説明させていただきますね
刀を打ち粉で手入れするように、刀剣男士の怪我も
彼らの本体(刀)に打ち粉をぽんぽんする事で治すことができます
しかし、雲様のように霊力でも治すことができます
霊力の場合、打ち粉で直していくのに比べて短時間で出来ますが
その一方で霊力の減り方が激しい、、のですが
雲様の霊力量ならば大丈夫でしょう」
「、、、刀剣男士の傷は霊力で直せ、っていうこと?」
「はい」
ここは、ブラック本丸といって
審神者、否、人間を嫌っている刀剣男士が暮らしている本丸
打ち粉を使うと時間がかかるので、刺される可能性が高い
しかし
霊力の場合短時間で済み、一定の範囲内ならどこでも大丈夫で
離れたところから念じても、同様の効果が得られる
つまり、`死にたくなかったら霊力でどうにかしろ`ということなのだろうか
「では、次に、、、これを渡しておきますね」
そう言って差し出されたのは、こんのすけの手中の一冊の本
濃い紫色の表紙には【刀帳】の文字があった
「この本にはこの本丸にいらっしゃる刀剣男士とその説明が書かれています
この本丸のほとんどの刀剣男士が傷だらけなのですが、
彼らの傷つき具合も、確認できる仕様になっているのです
怪我の酷さ、というのは軽傷→中傷→重傷の三段階で表わされます
、、、、では、早速見てまいりましょう!!」
こんのすけに言われるがままに表紙をめくっていく
彼らはどうやって傷ついていったんだろう
今までの審神者たちから暴力を受けた時の傷なのか
戦いに行った時にできた傷なのか
どっちにしろ、傷ついた彼らの傷は霊力で簡単に治ってしまう
人でないから?凄い神様でないから?
簡単に傷が治ってしまうがゆえに、彼らは傷ついてきたのだろうか
直されないまま、傷がそのまま放っておかれたのだろうか
、、、人間はかすり傷一つで大騒ぎするというのに
ここの刀剣男士もそうだか、ここについてきた審神者もそう
命とかそういったものを軽く見過ぎている
やっぱり悔しい
本来、命はそうであるべきじゃないのに
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作者名:露草浅葱 | 作成日時:2018年2月19日 12時