風が二十筋 ページ21
こんのすけに案内されるがままに、審神者部屋に戻ってきて
左手に持っていた脇差を取り出してみた
さっき剣を交えたばかりだから、傷がついているのかと思っていたが
そんなことはなく、ただ刀身を太陽の光に反射させて輝くばかりだった
「、、、刀の手入れの仕方って分かる?」
「手入れ、、、でございますか?」
この刀なんだけど、とこんのすけに近づけると
しばらくそれを観察してから、何処からか打ち粉を取り出した
「これぐらいなら、これでぽんぽんするだけでいいでしょう!
、、、、、詳しいやり方はまた説明させていただきます」
「へー」
ところで審神者様、とこんのすけの顔がずいっと近づいてきた
「、、、大広間にいらっしゃったとき、刀剣男士の手入れをなさいましたね!?」
「、、手、入れ、、、、?」
記憶をたどるも、彼らの刀身に打ち粉をぽんぽんした覚えはない
何のことだろうか、と首をひねっていると
こんのすけがどこからか、一冊の本を取り出した
「えーっと、少々お待ちくださいね?
、、、三条、三条、、、三じょ、、、、あ!
、、、、これをご覧ください!!彼に見覚えはないですかっ!!!」
彼の手中の本をのぞき込むと、そこにはさっき大広間で
傷の癒えていった不思議な少年の写真があった
「見覚えしかない」
「彼の傷が癒えていくのを見ましたか?」
「見たよ?不思議な少年だった、、、回復力がすさまじかった」
「いいえ!雲様の霊力で傷が治ったのですよっ!!
、、、雲様、彼のそばにいるときに何か念じませんでしたか?」
そう言われて、少し思い返してみる
少年の酷い怪我を見て、、、`彼のために何かしたい`と思ったはずだ
つまり私はあの時`彼の怪我が治る`ように念じた、ということになる
本丸を綺麗にしたときは`綺麗になれ`と念じた
なら`彼の怪我が治れ`と念じたら、、、、?
ということは、彼の傷は私の霊力で治ったということだろうか
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作者名:露草浅葱 | 作成日時:2018年2月19日 12時