検索窓
今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:127,643 hit

風が十二筋 ページ13

「、、、ありがとう、か、、久しぶりだな、そんな言葉」





だけど、やっぱり人間には苦しい思いしかないらしく、怖いのか


私のすぐそばで彼は小刻みに震えていた






「、、、そんな思いしてまで、私に近づかなくていいよ」






そう言うと彼は何を思ったのか、ずいっとこちらに身を乗り出して


それから、にやっと笑った





「そーはいかねえ。ほら、審神者部屋に戻るぜ?、、、手当の時間だ」



「手当、て、、、?」





ポケットから怪しい薬を取り出し、彼は目の前でちらつかせて見せた









_________________________





「っつあっ!!いったい、痛いっ」




「すこーしの辛抱だぜ?、、、ってあんた、替えの服はあるのか?」








さっきのビンの正体は消毒液だったらしく、傷口がひりひりと痛んだ





流石に服を脱いでの治療はいたたまれないので、と

患部の服のところだけ破られたのだか






正直、服とか考えてなかった、、、と、こんのすけを見る









「ていうか、雲様!!ケガしてたことを忘れるとかどんだけですか!!!!


薬研藤四郎様がこうして介抱してくださっているからよいものの、、、ブツブツ」







が、私への説教が始まった


こんのすけって、こんなに面倒くさいんだ、、、とふと思ってしまう






「はは、あんた今、こんのすけ面倒くさいと思っただろ?顔に出てるぞ」







うそ、と思う間もなく


また、たらーりと私の背に消毒液がまたかかった







「った!痛い、痛い」






急に、ぴくっとこんのすけの耳が揺れた


何かの音をキャッチしたらしかった






「、、、んお?本丸に雲様の衣類当が届いたようですぞ!!


取りに行ってくる間、どうか薬研様よろしくお願いします。」




「おう、任せとけ」







こんのすけがいなくなったからか、



それとも私が人間だと再認識して、怖くなったからだろうか







彼は、一言も話さず黙々と作業をして



只々、私を治療し続けた

風が十三筋→←風が十一筋



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.4/10 (35 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
92人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:露草浅葱 | 作成日時:2018年2月19日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。