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Chapter1 ページ2

「……傑」
「…ん、…何かな」
「何じゃないよ、全く。体調悪いの?不機嫌そうな顔をして……」


次の日。
私の広げた腕に素直に入って一頻り泣き、「また甘えてもいいかな」と男子高生とは思えない可愛さを披露してくれた彼。

いつも通りと変わらない、と思いきや何処か不機嫌そうな顔をしており、心做しか歩いている足取りは重そうで、授業が始まる前に声をかける。


「…寝不足なだけ、気にしないで」
「気にするよ?傑、一年生の頃無理してぶっ倒れたことあったでしょ。復活したときに散々、悟や硝子にいじられてたじゃん。またされたいの?」
「……それは、…やだなぁ…」
「でしょ?ほら、実際は?」


────夏油傑という男子学生は、
一般の子と見比べてもかなり礼儀正しい性格だ。

勿論それは表向きだけで、中身はまだまだ高校生のガキであり、同級生で親友だと認識しあっている五条悟とは口喧嘩ばかり。
その口喧嘩がエスカレートして戦闘に持ち込むことも屡々あった。

けど、親友にも言えない悩みを持ち合わせて居るのだろう、と薄々感じてもいた。
元々猫かぶりというか、取り繕うのが上手いタイプだ。

だから余計にやせ我慢とか、自分を曝け出すなんてこと経験がないのだろう。
こちらが心配の声をかけても、必ず返ってくるのは「心配しないで」と言いたげに、距離を置く言葉なのだ。


「……少し、頭痛いかな」
「熱は?」
「…測ってない」
「全くもー…。先生には私から言っておくから、今日は休みな。授業終わったら部屋に行って何か作ったげる」
「………でも、」
「でもも何もない!倒れたら大変でしょ!」
「………、はぁい……」




だから──────
だから、決めたのだ。


私がなるべく、彼の異変に気づいてあげよう。
彼の少しのSOSに、手を差し伸べよう、と。

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設定タグ:呪術廻戦 , 夏油傑   
作品ジャンル:アニメ
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無胤(プロフ) - ツバメさん» 伏黒甚爾ことパパ黒との出会いは終えてなくてこれからです。夏油さま生存ifの予定ではなかったのですがご要望とあらばパパ黒と夏油さま生存ifにしてみます。 (2022年3月2日 20時) (レス) id: 0e0c1513ad (このIDを非表示/違反報告)
無胤(プロフ) - セツナさん» 夏油さまの甘えは最高に可愛いと思ってます。神作とは…光栄です。ありがとうございます。更新頑張ります (2022年3月2日 20時) (レス) id: 0e0c1513ad (このIDを非表示/違反報告)
ツバメ - 傑の甘えには面白いと思いますけどこの感じだと伏黒甚爾との出会いは終わっちゃってます? 甚爾生存で傑も含めさしす組と他の人皆との絡み見て見たいです (2022年3月2日 19時) (レス) @page5 id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
セツナ(プロフ) - 可愛いすぎません???神作すぎます!!最高ですッッ!!続き楽しみにしてます!! (2022年2月4日 3時) (レス) id: 2ea77c9340 (このIDを非表示/違反報告)
無胤(プロフ) - 甘木さん» 彼も立派な男子高生ですが、我慢しないで生きて欲しいですッッッ (2022年2月1日 19時) (レス) id: 0e0c1513ad (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:無胤 | 作成日時:2022年1月30日 0時

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