序章 ページ1
「────Aッ!!」
「ウソ……だろ、」
「なんで私たちのことを庇ったりなんか…!」
「今はそんなの考えてるヒマねぇ、行くぞ!!」
「行くって、A置いて逃げるってのかよ」
「逃げなきゃ庇ってくれた意味がねぇだろ!!」
─────呪術師は、
特別なチカラを持った人間だ。
非術師…なんのチカラも持たない一般市民を守るために、日夜呪いを祓うために闘う。
一年の同級生、
最強の呪術師と謳われたあの
─────彼らが弱いから守るべき存在?
否。
彼らが強くなれるからこそ、強いからこそ守るべき存在なのである。
私がここで死んだら、きっと虎杖は撤退を判断した伏黒をぶん殴る勢いでケンカを始めるだろう。
釘崎も暫くは立ち直れない。
伏黒だって、心苦しい判断をしている。
そこを立て直すのが、
彼らの師である五条なのだ。
呪術師は、
仲間の死を跨いで成長しなければいけない。
"そういうことがある"のではなく、"そうなることは当たり前"だと認識して前に進まなければ、やっていけないのだ。
「早く……、早く、行って…!私のことは気にしなくていい、虎杖、キミは
───キミは、もう少し…思いっきりやってもいいと思うな」
最期の言葉は手短にそう伝えた。
言い残したこと、やり残したことなんていくらでもある。
生を授かり15年。
あまりに早い退場だけれど、悔いはない。
呪術師になった、その日から。
この死んだ魂は、人間という器に収まって転生を無事にすることができるのだろうか。
転生は、本当にあるのだろうか。
転生するとしたら、
次は遥か未来にたどり着くのだろうか。
そこは、呪いが居ない世界だろうか。
それとも─────。
144人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:無胤 | 作成日時:2022年2月10日 12時