・ ページ11
負けたとわかった学秀の顔は前とはまた違うように驚きとショックの顔だった
「キャーカッコイイ!うちの子たちカッコイイ!目線お願いしまーす!」
先生はそう言いながらカメラをかしゃかしゃしていた。
体育祭の競技が終わって、みんなが片付けとかをし始めていた
『いや〜男子よくやってくれてたよ』
「うん、すごかったよね」
それに周りの後輩たちもE組をすごいと言っていて少しずつE組の目線が変わっている気がした。
そんなふうに喜んでいるのも束の間私の携帯にメールが届いた
『誰…!!』
「A?どうかした」
カエデと莉桜ちゃんが心配してくれたけどここで何か言ったらみんなにも迷惑をかける
『いいんやなんでもない、ちょっと用具で忘れ物があるかもだからあっちいってくるね』
「あ、ちょっと!」
「忘れ物なんてあったけ?」
「さぁ?」
携帯には理事長からのメールが届いていた。文は短く、理事長室にきなさいそれだけだった
ー理事長室前ー
理事長室の前、何も見えないが空気が重く感じた。1人できたからじゃない何かが起きてるって
そんなことを思っていると骨が折れるように鈍い音が部屋から聞こえた。さすがにやばいと思って部屋に入ると
『んなっ、これって』
部屋ではさっき棒倒しをしていた外国人の4人が血を出しながら倒れていて、学秀が血まみれの壁に寄りかかりながら驚きながら座り、理事長が余裕そうに立っている光景が映った
「私が空手の黒帯を倒したのはね、空手を始めて3日目だった
1日目はこてんぱんに負けた。30過ぎたおっさんがゲロを吐いて転がったよ
これ以上ない敗北を味わったよ。
さて2日目は何をしていたと思う?ただ見てた…屈辱の炎に身を焼かれながら。
もしも次も負けたら、私は自分の人格を保てなくなり発狂死するだろうと…
そして3日目。一発も触れさせずに師範を倒した、敗北から学ぶとはそういうことだ」
理事長はそう言いなが学秀に近づく
「ねぇ浅野君。負けたというのに、なぜ君は死ぬ寸前まで悔しがってないのかな」
この人は本当に化け物だ学秀も私もそう思った
30人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:tanbarin | 作者ホームページ:http://kurakura.raraya
作成日時:2022年11月3日 3時