荒ぶる少女の蹴球 (ページ32)

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31話　ークロノストーン編ーページ32

「初めましてだね」

『ごめん、誰』

Aが雷門に向かう中、道端でサッカーボールで遊んでいた白髪の少年がAに声をかけてきた。今はフィフスセクターがいないとはいえ急に話しかけてくる男に彼女は警戒した

「ただの挨拶だよ、僕の尊敬する神様が君にそっくりだから会いにきたのさ」

『神…あんたうちの家の親戚かなんか？』

日頃から神と名乗るのは鬼丸神社の関係者かそれか厨二病くらいのため声をかけた少年をAは不思議に思った

「そうだね…いずれの関係者になる予定だよ」

サッカーをやっていると癖が強い奴に何人も会ってきたAはその態度に呆れていた

「お守りは持ち歩いてるみたいだね…なら平気そうだね、いずれまた会おうか」

そういって少年はゴーグルをつけると光を放ちどこかへ消えてしまっていた。

『なんなのどいつもこいつも』

結局何もわからないままAは雷門へ向かって行った。

『珍しい、河川敷がサッカーじゃなくて野球やってる』

ここからが変わり目の始まりだなんて誰も知らんかった。

ーAsideー

おかしい、何がなんでもおかしすぎる、学校に来た途端サッカー部に入っているのに他の部活に誘われまくってる。しかもサッカー部なんてここにはないって…なんで？

『茜さん！水鳥さーん！』

さっきは会えなかったマネージャーの先輩たちが仲良くお昼ご飯を食べて話し合っていた。

「ん？あんた1年か」

『え』

「体格が結構いいな…よしお前剣道部なんてどうだ！今部員募集中だぞ」

「水鳥ちゃん。勝手に誘わないの」

嘘でしょ…周りならまだしも先輩たちまでこうなちゃうなんて…一体ここで何が起こっているの？そうだ、せめて京介には連絡しよう

おかけになった電話は現在電波の届かない場所にあるため届きません

嘘でしょ…何回電話してもメールをしても何もない、今なら部活中だし休み時間だから返信もできるはずなのに…なんで誰も出ないの

『これは…きっと夢なんだ』

「河川敷！」

校門を見ると河川敷のほうに向かって走っていく天馬が見えた。そうだ、あいつがサッカーのことを忘れるわけがない、あのバカなら絶対に何かやらかしてくれる！

私はそんな気持ちのまま天馬を追いかけた