28話 ページ29
「おまっ!何を言っている!」
白竜は顔を赤くして一歩後ろに下がると水で濡れた土に足を一瞬だけバランスを崩しかけた
『え、ちょっと!』
Aが止めようとするのと白龍が起き上がるタイミングが被り、Aが白竜を押し倒す形となった。
『何やってんの、あんた。平気?』
肌も密着したこの時間、白竜はシュウの恋という言葉が脳内に残り心臓がバクバクしていた。
「A…」
白竜はもう照れよりも月夜に照らされたAの瞳が目に入っており、知らない間に彼女の頬に触れていた。
『白竜?』
「綺麗だ」
「!!すまん、忘れてくれ!」
自分が言った発言にハッと気づいたのかその場から起き上がり木によりかかって手を頭に置いて上を向いた。
「A…?」
『えっ!あっ…いや、ごめん!いや大丈夫!』
白竜と同じように急な発言にAも驚いて顔を赤くしていた。自分と同じ反応をする彼女に白竜はどこ嬉しさがあった
『ほら、月だよね!月って綺麗だもんね』
「いや…俺は」
「A」
白竜が声を出す前に聞き覚えのある京介の声が2人の間にあった
『京介』
「空野たちが探していたぞ、テントに戻ったらどうだ」
『あ、そうだった…ごめんじゃあ戻るね。白竜、また明日』
京介に言われてAは何かにハッとしたように光のある方へと走っていった
「剣城…いやすまん少し話していただけだ」
「それならいい」
慌てた白竜は恥ずかしさを隠すため剣城の方をみると走っているAを見つめていた。この目は自分も見たことがあった
自分にそっくりだと思った
「お前、まさか」
「なんだ」
「なるほどな、それなら俺も恥ずかしがる必要はないわけか」
だがここで白竜の京介へのライバル心と厨二病が邪魔したのか違う方向へと進んだ
「剣城、俺はお前には負けない」
「何がだ」
「サッカーもそしてAのこともだ」
白竜が予想外な発言をしたため京介も驚きと共に顔が赤くなっていた
「何を言って」
「俺はサッカーでもお前に勝つ、そしてAのことでもお前に勝つ!お前は俺と同じ目をしていた
否定するのならそれでいい!俺は諦めるつもりはない!」
白竜はサッカーの時とは違う目で京介をじっと見ていた
「どうだ」
「…望む所だ」
「ならそれでいい…俺はとりあえず部屋に戻る」
今更になって全てのことを恥ずかしがる白竜であった
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作者名:mama redo | 作者ホームページ:http://kurakura.raraya
作成日時:2023年1月22日 2時