【短編集】ピーチネクター (ページ6)

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飲み会ページ6

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同じサークルのみんなで飲み会に来た。

と、言っても私はお酒に弱いから

端っこ～でご飯食べてるだけだけど。

【 Aちゃん飲んでなくない？？】

《あ～～確かに～～！》

正直、こういうワイワイしてるところは苦手。

今日だって、好きな人が来るから来ただけ。

【ほら！お酒あげるよ！】

〈お～？イッキか～？笑〉

度数が弱いとはいえお酒を手渡された。

私ホントに弱いんだよな...

「それじゃ面白くないでしょ」

「ほら、俺のだけどこっちの方が度数あるよ」

私の好きな人、棚澤くん。

棚澤くん助けてくれたりしないかななんて

一瞬でも考えた私がバカだった。

多分棚澤くんの飲んでたお酒はハイボール。

今手元にあるお酒より倍くらい度数が高い。

【龍昇流石じゃん！】

〈ハイボールっしょ？渋いの選ぶね〉

全部に腹が立った。

こんなところに来た私と、

こんな人を好きになった私。

ハイボールと一緒にこの怒りも飲み込もう。

そう思ってハイボールをあおった時、

何となく違和感を感じた。

《なんだ～お酒飲めるんじゃん！》

そう、今飲んだのはお酒なんだよ。

でもお酒なはずなのに、なんというか、

お酒特有の全身が熱くなる感覚がない。

その代わりに私の好きなあの香りが鼻へ抜けた。

考えられる理由はただ一つ。