【短編集】ピーチネクター (ページ26)

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「話あるから、放課後屋上来て」

隣の席の棚澤くん。

この子は私に恋してる、絶対。

いつも素っ気なくてでもわかりやすい、

そんな君からの呼び出し。

こんなの何が起こるかなんて 5歳の子でもわかる。

分かってるはずなのに、

どうしても不安が私にまとわりついてくる。

「 A、あのさ」

早くその先が聞きたい。

私のこの気持ちがバレる前に

君の口からその二文字が聞きたい。

「俺、Aがすき」

『 .....知ってたし、そんなの』

どうしてこんなどきどきしてるの。

わかりきってたはずなのに、

思い描いてた通りの言葉だったのに。

「 Aも俺のこと好きでしょ」

『な、そんなわけ』

「 ...まあ、俺焦らされるの嫌いじゃないよ？」

でもね、と歩み寄る棚澤くん。

あんなにからかい続けた相手なのに

なんでこうも胸は高鳴り続けるのだろう。

「ストレートに伝えてもらう方が好きだな」

彼の手のひらが私の頬に触れて、

次の瞬間には唇が重なっていた。

「こんな風に」

隣の席の棚澤くん。

この子は私に恋してた。

でも、私の知らない彼がまだ居たみたい。

君の全部が知りたい、

そう思って今度は私から唇を重ねた。

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【店長の小話】

Hi Highという曲を聴いているとき

ふとこのネタを思いついて、

勢いだけで商品化してしまいました。