【短編集】ピーチネクター (ページ21)

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トクベツページ21

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『ハッピーバレンタイン！』

一斉に8個の目がこちらを向く。

だ「待ってました！」

ト「わ～い！毎年恒例！」

や「ちょっと期待してた」

凸「 ...ちょっとですか？」

『あれ？たなっちとはじめさんは？』

だ「たなっちは隣、はじめは東京」

焦らさないで！とチョコを欲しがるだいちくん。

『はい、皆さん義理クッキーです』

だ「やたーーーー！！！」

ト「義理でもうれしい～！」

凸「めちゃくちゃ可愛いじゃないっすか！」

や「ありがとう Aちゃん！」

嬉しそうに大量生産したクッキーに手を伸ばす4人。

子どもっぽくて可愛い。

『はじめさんにはまた後で渡すとして... 』

隣の部屋で編集作業をしていたもう一人の肩を叩く。

『たなっち今大丈夫？』

「ん、もうほぼ終わってるから大丈夫」

イヤホンを外してこちらを向いてくれる。

集中を途切らせてしまって申し訳ない。

『はい、ハッピーバレンタイン！』

「 ...義理チョコ？笑」

さっきの会話聞こえてたんかい。

『義理、ではない』

「友チョコ？」

『 ...でもない』

友として渡してるわけじゃないし

言ってしまえばチョコでもない。

頑張って彼のためにマカロンを作ったのだ。

『たなっちは、特別だから』

向こうではわいわいみんなが

さっきあげたクッキーを食べている。

こちらを気にしている様子はない。

「特別、か」

「その言葉、俺以外に言わないでね？」

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【店長から】

マカロンの意味は「あなたは特別な存在」。