【短編集】ピーチネクター (ページ3)

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Snap shoot ページ3

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パシャッ

『ねえやめてよ～』

「いいじゃん減るもんじゃないんだし」

『 " 相棒 " の空き容量は減るでしょ』

棚澤龍昇、24歳。

彼女の写真を撮るのが趣味。

こんな俺が写真撮るの趣味なんて

らしくないでしょ。

最初はちゃんとしたカメラを買おうと思ってたけど

今は iPhoneでも充分綺麗に撮れるから

3つのカメラがついたあいつが相棒。

「ほら、Aちゃんこっち向いて」

『もうしつこいな笑』

あ、笑った。

そのタイミングを狙ってシャッターを押す。

やっぱり Aは笑った方が可愛い。

『なにニヤニヤしてんの棚澤さん』

「いやなにも」

『あ、私が可愛いなって？？笑』

おどけてみせる A。

そんな無理に可愛こぶらなくても

充分可愛いって。

「それ以外何があんだよ」

『ん？』

「 ...はーいご飯食べようね～」

『えーー！なになに！』

「内緒」

Aはこれが照れ隠しってわかってるんだろうけど

意地悪棚澤だ！！なんて暴れてる。

「ご飯ですよ～」

『けっ、これで許してやろう』

現在の時刻は 23時。

今日は畑があったから遅くなってしまった。

着替えたり風呂に入った後にちょっとゆっくりしてたら

こんな時間に食べることに。

夜遅くに食うから太るんだろうけど...

「結局ラーメンが1番美味い」

『わかる、誰も勝てん』

女子だと嫌がる遅い時間の食事だったとしても

一緒に食べてくれる。

そう、優しいんすよ。

『今日もお疲れ様』

「夜食付き合ってくれてありがと」

ラーメンを頬張るAも撮っちゃお。

美味しそうに食べるから見てるだけで楽しい。

...これを一人の夜に見てニヤニヤしてんだよな。

まあ、Aには言ってないですけど。