【短編集】ピーチネクター (ページ12)

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『す、すみません！』

「こちらこそ... 」

男5人とその子でチラシを集める。

この子、イブの夜なのにバイト入ってるのか。

「考え事してて、すみません」

2度目の謝罪の時、ようやく彼女の顔を見た。

白い肌、黒い髪、寒さで赤くなった鼻、

申し訳なさそうにこちらを見つめる瞳。

〈前のあのひと〉とは全てが違った。

多分、これがヒトメボレってやつ。

クリスマスイブに恋人と過ごさず

おじさん4人とスーツ姿でぶらつく俺と、

寒空の下 1人チラシ配りをしている彼女。

どこか似てる気がした。

多分このおじさん達や世の人は

「「「「こじつけだ！」」」」

なんてやいやい言うだろう。

でも、わからないけど同じ雰囲気を感じた。

「明日、予定ってありますか」

『え、明日ですか』

「バイト？」

『いや、』

「じゃあ決まりね」

この子に、この特別な子に

愛を捧げようと思う。

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だ「(え、ホントにナンパした？)」

ト「(クソ...抜け駆けしやがって！)」

テ「(流石すぎません...？)」

や「(...てか我々のこと忘れてるよね？)」