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Aside
私が廊下に飛び出すと、
案の定、衛兵達が追いかけて来た。
幼い姉弟が捕まらないように、
私がオトリにならなきゃ…！
そう思って、
人がいっぱいいそうなロビーとは
反対方向に走って行く。
すると、
目の前に外へ出られそうな階段が見えてきた。
とりあえず捕まらないように外を目指そう！
でもそう思った瞬間、
階段の前に人影が見えて立ち止まった。
A「…！」
疾「さぁ、鬼ごっこは終わりにしましょう」
疾風が前から歩いてきたのだ。
後ろからは衛兵が走って追いかけてくる。
私はとりあえず左に曲がり、
劇場からなるべく離れた方向へ走った。
すると、見慣れた螺旋階段が
目の前に見えてきた。
あの階段を登ると
また私が閉じ込められてた部屋に戻ってしまう。
でももうその場所は行き止まりで、
私は仕方なく、その螺旋階段を
登っていくしかなかった。
疾風は、“既に袋のネズミだ”と言わんばかりに
ゆっくりと歩いてきていている。
ずっと走ってばかりだったから、
肩で息をしながら、それでも
螺旋階段を上に上に登っていった。
途中、私がいた部屋も通り過ぎて、
階段を登りきると、そこには扉があった。
勢いよくその扉を開けると、
そこには小さなベランダがあるだけで、
もうそれ以上逃げ場は無かった。
私はとりあえず扉を閉めて、
意味が無さげな鍵も閉める。
ビュービューと強い風が吹き、
ベランダの下を見ると、
お城の裏にいる馬や馬車が
おもちゃのように小さく見えた。
どうしよう…
どうやって逃げよう…
私がオロオロしていると、
急に「Aちゃん…」という声が聞こえ、
視界が暗くなっていった。
＊＊＊
気が付くと、
真っ白な世界の中にいた。
そこは…夢でよく見る場所だった。
なんで今…？
私がキョロキョロしていると、
目の前に、
思わぬ人影を見つけて驚いた。
A「海李君…？」
海李君はゆっくり振り返ると、
“あの時”と同じ笑顔で
私の元に羽ばたいて来てくれた。
私が呆然としていると、
海李君は私の両手を取って、
耳元でこう囁いた。
“笛を吹いて”
A(え…？)
私がキョトンとして聞き返すと、
海李君はまたニコッと笑い、
「あとは、
と言ってゆっくりと手を離した。
(待って！海李君…！！)
私が手を伸ばすと、
海李君はフワッと浮き上がり、
「またね、Aちゃん…」と言って
笑顔で手を振った。
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こあらっこ(プロフ) - さくらさん» さくらさんにまたコメントして頂き本当に感謝です！嬉しいです〜（泣）お待たせしてしまい申し訳ございません、近々アップ出来る様に頑張りますね！いつも楽しく読んで頂いてるとの事で本当に嬉しいです！ありがとうございます！これからもよろしくお願い致します！ (2021年3月7日 15時) (
レス) id: e1db37f72a (このIDを非表示/違反報告)
さくら - 楽しく読んでいます。忙しいと思いますが更新楽しみにしています。 (2021年3月7日 14時) (レス) id: 63aab54572 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こあらっこ | 作成日時：2021年2月25日 16時
