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樹side
その後、劇場内を隈なく探しても、
ローガンと疾風は見当たらなかった。
俺達は息を切らしながら
もう一度ステージの袖に戻ってきた。
樹「あいつらやっぱり城に居るのか！？」
大「…」
すると、俺の問いには答えず、
大我が無言で
部屋のような間取りの中に入っていく。
俺も大我の後に続くと、
歩く度に飛び散ったガラスの破片を踏む音がした。
大「樹…こんな劇場に
本棚を置く意味ってなんだ？」
樹「え…？」
大我を見ると、
壁に付いている大きな本棚を
指でなぞっている。
樹「え、劇で使う台本を置くとか？」
大「それなら楽屋だろ？
こんなステージ脇に本棚を置くなんて不自然だ。
こういう場合、大抵の物語なら…」
そう言うと、大我は本棚を叩いたり、
色んな所を押したりした。
すると、少しだけ本棚が右にスライドした。
樹「これは…！」
俺も手伝ってその本棚を右へ動かすと、
そこには地下へ続く階段が現れた。
大「ほら！俺って本当に名探偵！！」
樹「うん…まぁ…よくありがちだけどな…」
大我は俺の言葉が都合よく聞こえなかったらしく、
その階段を躊躇なく降りて行った。
樹「あ、おい！危ねぇから先行くなよ！」
俺が慌てて付いて行くと、
階段を降りた先にはさらに廊下が続いていて、
その両脇には牢屋のような部屋が並んでいた。
大「なるほどね。地下牢ってわけか」
樹「なんでこんな所に…」
大「誰もが、
“こんな所に”あると思わないからじゃない？
しかも劇場では大きな音が鳴ってるし、
多少の声が漏れても、
何かの“演出”だってカモフラージュできる」
樹「なるほど…」
本当の名探偵っぽいその答えに、
今度こそ俺は関心せざるを得なかった。
すると、奥の方から何か音が聞こえ、
俺と大我はハッとしてまた走り出した。
それは人の声だった。
その声に近付くと、牢屋の中には
比較的若い男女や、中には子供の姿も見えた。
その人達は俺達に気付くと、
怯えたように壁側へ離れていった。
大「大丈夫！俺達は敵じゃない！
隣国の者だ」
樹「俺達は助けに来たんだ！」
俺達がキッパリそう言うと、
今度は全員がすがるように
牢屋の格子に近付いてきた。
男「ここから出してくれ！」
女「早くしないと、私達売られちゃう…！」
どうやらここにいるのは
人身売買のために
連れてこられた人達のようだ。
すると、さらに奥から
「大我様！樹様ー！」という
年老いた男性の声が聞こえた。
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こあらっこ(プロフ) - さくらさん» さくらさんにまたコメントして頂き本当に感謝です！嬉しいです〜（泣）お待たせしてしまい申し訳ございません、近々アップ出来る様に頑張りますね！いつも楽しく読んで頂いてるとの事で本当に嬉しいです！ありがとうございます！これからもよろしくお願い致します！ (2021年3月7日 15時) (
レス) id: e1db37f72a (このIDを非表示/違反報告)
さくら - 楽しく読んでいます。忙しいと思いますが更新楽しみにしています。 (2021年3月7日 14時) (レス) id: 63aab54572 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こあらっこ | 作成日時：2021年2月25日 16時
