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Aside
司会「それではこちらの“幻の絵画”は
エントリーナンバー206の男性が
落札されましたーー！！」
スピーカーから男性の声が聞こえると、
また歓声が上がる。
何かのイベントをやってるのかな…？
私が窓ガラスに近付くと、
疾風も私に気付いて鍵を開け、
部屋に入ってきた。
疾「目が覚めましたか…」
A「ここはどこ…？」
疾「ここは劇場ですよ。
今、オークションが行われています」
A「オークション…？
絵とか骨董品とかを落札する…？」
疾「そうです。まぁ…そのうち
もっと特殊なものが出品されますけどね…」
A「特殊…？」
私が聞くと、疾風は
真面目な表情でステージを見つめた。
私もなんとなく緊張しながら
オークションを見守る。
すると、言っている意味が
すぐに分かった。
司「それでは…
ここからは第2部に移ります。
次の出品は…こちらです！！」
司会者が指し示した方向に現れたのは、
ボロボロの衣服を着た
幼い女の子と男の子だった。
司「この二人は姉弟ですが、
バラ売りも可能です。
まずは女の子の方から…！」
A「え…」
私が驚いていると、
さっそく「5万！」「7万！」と声が上がり、
落札が始まった。
A「どういう事！？
子供達が“物”として落札されるの！？」
私は疾風の腕を掴んで聞いた。
疾「そうですよ…。いわゆる人身売買です。
ローガンは売れるモノは
何でも売る男ですから…」
そうか…
ローガンが、私を売るとかなんとか言ってたのは
この事だったんだ…。
私は目の前で起きていることに
身震いした。
もしかしたら、あのステージに
自分も上がっていたかもしれない…。
すると、女の子の落札が終わり、
次に男の子の落札が始まった。
A「こんなの…！
お願い!止めさせて！！」
疾「…」
私がお願いしても、
疾風は表情を変えずに
ステージを見つめている。
A「お願い…！」
私が叫ぶと、また歓声が上がった。
司「おっとー！お姉ちゃんとは
違う方が落札されましたね！
それでは、待機場所に
“納品”しておきましょう」
司会者がそう言うと、衛兵達が
無理やり姉弟を引き離し、
別々の待機場所に連れて行こうとした。
その姉弟はこれが最後の別れだと悟ったのか、
泣きながらお互いの名前を叫んでいる。
客たちはそれすらも娯楽のように楽しみ、
大袈裟に笑った。
私は手をギュッと握りしめて、
部屋のドアに向かって走り出した。
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こあらっこ(プロフ) - さくらさん» さくらさんにまたコメントして頂き本当に感謝です！嬉しいです〜（泣）お待たせしてしまい申し訳ございません、近々アップ出来る様に頑張りますね！いつも楽しく読んで頂いてるとの事で本当に嬉しいです！ありがとうございます！これからもよろしくお願い致します！ (2021年3月7日 15時) (
レス) id: e1db37f72a (このIDを非表示/違反報告)
さくら - 楽しく読んでいます。忙しいと思いますが更新楽しみにしています。 (2021年3月7日 14時) (レス) id: 63aab54572 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こあらっこ | 作成日時：2021年2月25日 16時
