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ジェシーside
慎太郎は優吾の声も聞こえないのか、
腕を大きく振りかぶり、
前と同じように地面に拳を叩きつけた。
すると、それによる爆風が起こり、
土がえぐれて
周辺の木々が吹き飛んできた。
ただ、今回は間一髪で
優吾が何とか盾を出したし、
樹も、風を起こして
衝撃風や倒れた木々から皆を守った。
樹「くそっ…！疾風の奴…！
こんなの…
こんなのゲームじゃねぇ！！」
大「マジでふざけんな！！」
珍しく、大我も怒りをあらわにした。
それでも慎太郎は
そのまま俺達にビュンッと向かってきて、
あっという間に殴り掛かってくる。
優「慎太郎！もう止めろ！！」
俺達は慎太郎の攻撃を避けて
また防御だけになった。
でも…
今回は違う。
今度こそ、慎太郎を止めないと…！
俺は心を鬼にして、
剣を木刀に変えた。
そして慎太郎に峰打ちをしようと
木刀を構える。
慎太郎も、俺の殺気に気付いたのか、
一旦俺達から離れて攻撃の手を止めた。
俺と慎太郎はジリジリと間合いを図りながら、
お互いの呼吸を読んだ。
優吾、大我、樹の3人は
そんな俺達を心配そうに見つめている。
そして俺が
“今だ…！”と一歩踏み込んだ
その時、
急に慎太郎の周りの土が盛り上がって、
慎太郎をすっぽりと覆い隠した。
ジェ「え…」
俺がポカンとした顔で
他の3人を見ると、
皆も困惑した顔をしていた。
どうなってんの…？
あれ、でも土の壁って事は…
俺達はハッとして
一斉に袴塚の方を見た。
すると、やっぱり袴塚が
土の壁に向かって術を掛けていた。
ジェ「なんで…」
俺が呟くと、
袴塚は俺達の方を見てふっと笑った。
袴「…“何が何でも全員で家に帰るのが目標”なんだろ？
だったら、早くAを助けに行け。
それに…
なるべくなら、
仲間に剣は向けない方がいい…」
袴塚は、
今まで見たことも無いような優しい顔をして、
俺と優吾に向かって言った。
優「袴塚…」
そうか…
袴塚は夕べの
俺と優吾の会話を聞いてたのか…
俺と優吾が顔を見合わせて驚いていると、
土の壁の中からドン！ドン！と
慎太郎が壁を叩く音が聞こえてきた。
袴「安心しろ。慎太郎を傷つける事はしない。
責任を持って“子守り”しといてやるよ」
袴塚がニヤリと笑って言うと、
優吾は目を瞑って唇を噛んだ。
大我と樹も手を握りしめていて、
俺も多分、皆と同じ顔してると思う。
俺達は結局、
慎太郎に何もしてやれなくて、
それが本当に…
本当に悔しかったんだ…
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こあらっこ(プロフ) - さくらさん» さくらさんにまたコメントして頂き本当に感謝です！嬉しいです〜（泣）お待たせしてしまい申し訳ございません、近々アップ出来る様に頑張りますね！いつも楽しく読んで頂いてるとの事で本当に嬉しいです！ありがとうございます！これからもよろしくお願い致します！ (2021年3月7日 15時) (
レス) id: e1db37f72a (このIDを非表示/違反報告)
さくら - 楽しく読んでいます。忙しいと思いますが更新楽しみにしています。 (2021年3月7日 14時) (レス) id: 63aab54572 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こあらっこ | 作成日時：2021年2月25日 16時
