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Aside
疾「…話が違いますね。
彼女は売るために連れてきた訳ではありません。
そのネックレスも、今までの様に
偽物やおもちゃではない。
彼女にしか扱えない物なのです」
疾風の声は怒りに震えていて、
その表情はローガンに対する
軽蔑の念すら感じられた。
ロ「ふっ。それならば、
セットで売ればいいだろう。
何をそんなにこの娘に固執している？
お前らしくもない」
疾「…」
疾風は眉間に皺を寄せたまま、
ローガンの問いには答えず、
私の方を向いた。
疾「…慎太郎君、Aさんを
部屋まで連れていきましょう。
休ませないといけません」
A「え…」
話の内容がさっぱりわからくて
私がキョトンとしていると、
慎太郎がサッと私を横抱きにして
軽々と持ち上げた。
何かよくわからないけど、
あのローガンっていう人からは離れたくて、
私も大人しく慎太郎に身を委ねた。
疾「それでは失礼します」
疾風はわざとらしくローガンに一礼をして、
部屋を出て行った。
その後ろに私を抱えた慎太郎が
付いて行く。
ローガンは最後まで私を
値踏みするように見つめていた。
私はローガンと目が合った瞬間、
全身に鳥肌が立ち、
思わずサッと目を逸らした。
部屋に戻ると、慎太郎は
私をベッドにそっと降ろしてくれた。
慎太郎はもう涙を流していなかったし、
相変わらず無表情だったけど、
こういう所に慎太郎のいつもの優しさを感じて
私はさらに切なくなった。
そして疾風はまた当たり前のように
私の手首にベルトを付けて鎖を繋いだ。
疾「…とにかく、大人しくしていてください。
私も、あなたに手荒な事はしたくないですから」
なぜか疾風の言い方が
今までより優しいような気がして、
私は違和感を感じた。
A「…あの人は誰？
私とネックレスを売るってどういう事？」
私は思った疑問をそのまま疾風に尋ねた。
疾「…あなたは知らなくていい事です。
何も考えず、
とにかくお休みください」
A「待って…！
お願いだから、慎太郎には
手を出さないで…」
出て行こうとする疾風の腕を掴んで言うと、
疾風はまた驚いた表情をした。
疾「あなたは…もう少し
自分の心配をした方がいい。
また来ます…」
そう言った疾風の顔を見て、
私は思わず腕から手を離した。
疾風のその表情は
なぜかとても辛そうで、
今にも泣き出しそうだったのだ。
疾風の変わりように頭が追い付かず、
私は暫くの間
ガチャン！と閉まった扉を見つめていた。
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こあらっこ(プロフ) - さくらさん» さくらさんにまたコメントして頂き本当に感謝です！嬉しいです〜（泣）お待たせしてしまい申し訳ございません、近々アップ出来る様に頑張りますね！いつも楽しく読んで頂いてるとの事で本当に嬉しいです！ありがとうございます！これからもよろしくお願い致します！ (2021年3月7日 15時) (
レス) id: e1db37f72a (このIDを非表示/違反報告)
さくら - 楽しく読んでいます。忙しいと思いますが更新楽しみにしています。 (2021年3月7日 14時) (レス) id: 63aab54572 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こあらっこ | 作成日時：2021年2月25日 16時
