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樹side
その後も何度か戦争があって、
大我も俺もその度に強くなっていった。
仲間を失う事もほとんどなくなったけど、
やっぱり戦争が終わった後は
2人で墓参りに行くのが恒例になった。
俺もたまに、考え事をする時は
1人で墓地に行ったりもした。
そしてある時、墓地に行った帰りに
ふと遠くの方に人影が見えた。
それは亡くなった神官のお墓の前で
手を合わせているエルの姿だった。
あ、そうか…今日は月命日か…。
律義に毎月ここへ来てるんだろう。
エルはお墓に向かって手を合わせながら、
祈るように何かブツブツと言っている。
そして涙も…。
俺はあの日言い過ぎたかな…と思ってたけど、
また何か言われるのが怖くて
天文台には近づけずにいた。
その時も、俺はエルに声を掛けることなく、
部屋へ戻った。
そしてまた大我のねずみ小僧ごっこも復活し、
夜な夜な色んな街を探検したりもした。
大我のやりたいことは何でも協力したいし、
危険があれば守ってやりたい。
大我が楽しそうにしてるのを見て、
俺はエルの言葉を
どこか頭の隅に追いやっていた。
疾風の行方も追っていて、目撃情報があれば
急いで向かっては取り逃がし…
戦っては煙に巻かれ…を繰り返し、
忙しい日々を送っていた。
そうしてあっという間に2年の月日が経って、
大我が19、俺が18の今年の春。
あの武道大会であいつらに出会った。
正直、最初は仲間になるつもりなんて
これっぽっちもなかった。
でも大我は、“もし俺らがさ、
世界を救えたら最高じゃん？”って言った。
その時の大我の目は、あの墓地で見た
迷いのない眼差しをしていた。
この目を見る度に、
俺はエルの言葉を思い出して
動揺するんだ。
嘘であって欲しいという祈りと…
本当だったらどうしようという不安…。
そしてこの葛藤を悟られないように、
俺は大我に何度でも嘘を付く。
でも、既にそれも
限界まで来ていたのかもしれない。
北斗が図書館で絵本を見つけたことで、
その綻びは大きくなっていった。
俺は“6人の勇者と6つの石”という
そのタイトルを見て
エルのある言葉を思い出した。
“あの石は…大我王子が
持つべくして持つものでした。
でも…大我王子の為を思うなら…
持つべきではなかったのです…”
大我が持つべくして持つ石だった…？
その言葉が引っ掛かり、
俺は適当な言い訳をして
絵本を持って図書館を後にした。
北斗に後を付けられているとも知らず…。
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こあらっこ(プロフ) - 祐莉さん» 過去のコメントを見つけるのも速い（笑）！さすが祐莉さん！いつも温かいコメントありがとうございます。頑張ります！祐莉さんもお身体にお気を付けてお過ごしください！ (2021年9月9日 8時) (
レス) id: b57f8e4ed6 (このIDを非表示/違反報告)
祐莉 - 返信ありがとうございます。4にてコメント発見しました！(年齢・あるメンバー)何となく今後の展開のヒント分かりました！今後も応援してます！身体に気をつけて！ (2021年9月8日 15時) (レス) id: ea9cf53e18 (このIDを非表示/違反報告)
こあらっこ(プロフ) - 祐莉さん» さらに、以前祐莉さんから頂いたコメントへ返信した中に、今後のヒントがあるかも・・？です！これからも祐莉さんに楽しんでいただけるように頑張りますね！引き続きよろしくお願いします！ (2021年9月8日 0時) (レス) id: 36aa9b4b33 (このIDを非表示/違反報告)
こあらっこ(プロフ) - 祐莉さん» コメントありがとうございます！しかも、めちゃくちゃ読み込んで頂いてて嬉しいです・・。さらに鋭い考察にもドキッとしております(笑)私より詳しいかも・・・(笑)ぜひ今後も色々と考察して頂けたら作者冥利につきます！ (2021年9月8日 0時) (レス) id: 36aa9b4b33 (このIDを非表示/違反報告)
祐莉 - 今後エルさんが他の3人や主人公ちゃんに会うのか？の展開も含め、今後も応援してます！ (2021年9月7日 21時) (レス) id: ea9cf53e18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こあらっこ | 作成日時：2021年9月3日 8時
