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樹side
俺達がお城へ戻ると、
健康そうになった俺達を見て、
城内の皆が喜んでくれた。
王様と王妃様、トオノさんにも
「ご心配をお掛けしました」って
お礼を言った。
その日の夕食はまぁ豪華で、何かある度に
王妃様が豪華な食事を作ってくれるようになったのも、
この頃からだった。
本当にいつも…
心配してくれてたんだと思う。
お腹がいっぱいになって
部屋に戻ろうとした時、
大我が「樹、ちょっと付き合って」と言って
お城の裏庭に向かった。
なんだろう？と思いながら付いて行くと、
大我は何故かお花畑で大量のお花を摘んで、
さらに奥へ進んで行った。
樹「ねぇ、大我…まさかお城の外に行くの？
今日は辞めた方が…」
不安になってそう聞いた時、
目の前に見えてきた場所を見て、
俺はハッとした。
そこは墓地だった。
城内や戦争で亡くなった人達が
ここに眠っている。
大我は墓地の一番奥にある丘へ登って行った。
墓地を全て見渡せるその丘には、
慰霊碑が建てられている。
大我は何も言わず、
ただそこに花束を置いて
手を合わせた。
俺も、大我の隣にしゃがんで目を瞑り、
一緒に手を合わせる。
暫くして目を開けると、
大我が墓地を見渡しながら立っていた。
その大我の表情は王様とそっくりで、
深い慈愛と、熱く燃えるような闘志を
同時に感じさせた。
それはまさしく、“王の姿”だった。
樹「大我…」
俺が声を掛けると、
大我は俺を真っ直ぐに見て言った。
大「樹…俺、ちゃんと生きる。
ここにいる人達に誓うよ」
大我の迷いのない眼差しに、
あぁ…今までの大我じゃないな、と感じた。
樹「うん…そうだな…」
俺はそれを聞いて泣きそうになったけど、
なんとかグッと堪えた。
大「樹…これからも我儘言うと思うけど、
付いてきてくれる？」
大我は少年のような澄んだ目で俺を見た。
大我がこんな事を言うのは珍しい事だった。
いつもだったら
「何を今さら…」って言うんだろうけど…
樹「承知致しました、王子…」
俺はトオノさんが
王様に言う時の言い方を真似して言った。
すると大我は「んふふっ」って
嬉しそうに笑いながら、
またお城の方へゆっくりと歩きだした。
その後ろ姿を見て、
俺もウジウジしてられないな…って、
大我を守れるように
強くならなきゃな…って思った。
広い墓地に吹く12月の風は冷たいはずなのに、
澄んでいて逆に気持ちが良かった。
そしてその次の日、大我は17歳になった。
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こあらっこ(プロフ) - 祐莉さん» 過去のコメントを見つけるのも速い（笑）！さすが祐莉さん！いつも温かいコメントありがとうございます。頑張ります！祐莉さんもお身体にお気を付けてお過ごしください！ (2021年9月9日 8時) (
レス) id: b57f8e4ed6 (このIDを非表示/違反報告)
祐莉 - 返信ありがとうございます。4にてコメント発見しました！(年齢・あるメンバー)何となく今後の展開のヒント分かりました！今後も応援してます！身体に気をつけて！ (2021年9月8日 15時) (レス) id: ea9cf53e18 (このIDを非表示/違反報告)
こあらっこ(プロフ) - 祐莉さん» さらに、以前祐莉さんから頂いたコメントへ返信した中に、今後のヒントがあるかも・・？です！これからも祐莉さんに楽しんでいただけるように頑張りますね！引き続きよろしくお願いします！ (2021年9月8日 0時) (レス) id: 36aa9b4b33 (このIDを非表示/違反報告)
こあらっこ(プロフ) - 祐莉さん» コメントありがとうございます！しかも、めちゃくちゃ読み込んで頂いてて嬉しいです・・。さらに鋭い考察にもドキッとしております(笑)私より詳しいかも・・・(笑)ぜひ今後も色々と考察して頂けたら作者冥利につきます！ (2021年9月8日 0時) (レス) id: 36aa9b4b33 (このIDを非表示/違反報告)
祐莉 - 今後エルさんが他の3人や主人公ちゃんに会うのか？の展開も含め、今後も応援してます！ (2021年9月7日 21時) (レス) id: ea9cf53e18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こあらっこ | 作成日時：2021年9月3日 8時
