NEW WORLD ～6つの原石～２ (ページ49)

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宇賀神の狙いページ49

～宇賀神グループの本拠地～

東「バカヤロー！！
たかがガキ3人相手に
30人もの山賊が何を手こずってやがる！？」

山賊１「す、すみません…
あいつら…なかなか手強くて…」

東「言い訳はいらん！

いいか…俺たちには時間がないんだぞ！？
わかってんのかー！！」

宇賀神の本拠地は山の奥にある。
ハンターになる前は山賊として
その土地の人々を恐怖に陥れていた。

その山から
やまびこのように東の怒鳴り声が聞こえてくる。

袴「東…もうその辺にしとけ。
“アイツ”が起きるだろ？」

東「は、はい…
すいやせん…」

袴塚の低い声がすると、
東の声量も小さくなった。

袴「で？魔術師は見つかったんだな？」

山賊2「は、はい！
役所でアニキと握手した奴です！
水を使った魔術を使っていました！」

山賊1「あと結界も張っていました！」

山賊達は、なんとか少しでも
自分達の成果を認めてもらうべく、
必死にアピールしていた。

袴「結界か…
なかなか出来る奴はいないからな…」

東「明日、もう一度
そいつを捉えに行きやしょう！」

？「いや、そいつじゃない」

東の言葉にかぶせるように、
部屋の入り口から声が聞こえた。

入って来たのは小柄ながら
不気味な雰囲気を漂わせている
全身黒づくめの男だった。

キッパリと言い切った話し方に、
部屋はシーンとなる。

袴「おお、疾風(ハヤカゼ)か…
なんか掴んだか」

その男は袴塚の前に出て座ったが、
そこまで忍者のように物音一つ聞こえなかった。

疾風「確かにその男の魔力は
相当強いです。

でも…一番アニキが望んでいた
“ヒーラー”を見つけましたよ」

東「なんだって！？」

部屋の中がざわめいた。
袴塚もピクッと眉毛を上げた。

疾風「…ヒーラーは
その魔術師と一緒にいたあの娘(むすめ)です」

山賊1「娘って…あのリンゴ泥棒の事か！？」

さらに部屋の中が騒がしくなった。

疾風「あの娘が、
男の傷を治していた…
俺はそれをこの目で見た」

言い終わると、
疾風(ハヤカゼ)と呼ばれた男は
ニヤリと笑った。

袴「ふっ…さすがだな。
よくやった。

よし、お前らその娘を連れてこい。
試す価値はありそうだ…
今回は東、お前も行け」

東「任せてください！！
よぉし！お前ら準備しろ！」

山賊達「おーー！！！」

東と山賊達は立ち上がって
意気揚々と部屋を出ていった。

眉間に皺を寄せる袴塚を横目に、
疾風はまたニヤリと不気味に笑った。