NEW WORLD ～6つの原石～２ (ページ5)

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慎太郎side

北斗は何年もかけて
ある薬草を探していた。

そして昨日、俺は
とうとうその薬草を見つけたのだ。
いや、見つけてやったのだ！

なのにこの態度酷くない！？

俺が変顔で近付いても
北斗は小瓶から目を離さず、
そのままソファにぽすっと座りなおした。

もうこうなったら
北斗は小瓶にしか興味を示さない。

俺はため息をついて
ちょっとムクれながら北斗の隣に座った。

それに気付いた北斗は
俺を見てふっと笑う。

北「それで？
何処にあったわけ？」

…ずるい。

イケメンが子供のような笑顔で
話してくるもんだから
ついつい許してしまう。
俺って北斗に甘いんだよなぁ～。

慎「…えぇとぉ、
スズメの森田さんが山に行った時に、
リスの清水川(しみずかわ)さんに紹介してもらった
イノシシの鬼瓦(おにがわら)さんに場所教えて貰ったんだ！」

北「待て待て、お前の名付け方が
相変わらず独特過ぎて
話が入ってこないわ！」

慎「ありゃっ！？」

そう言って変顔をすれば、
やっと北斗は「やかましい！」と
笑顔で突っ込んでくれた。

ここまでが俺たちのワンパッケージね(笑)

とまぁ前回から言ってるように
俺は動物と話すことができる。
(え、初耳だった！？)

しかも動物ちゃん達は俺が大好きで、
欲しいモノを伝えれば
探してきてくれるんだ。

それで北斗が探してた薬草も
見つけてあげたってわけ。
俺って優しい～！！
イケメ～～ン！！

慎「それで、次は何作るの？」

北「ん？あぁこれさえあれば
もっと強力な毒が作れるのよ」

慎「え…」

北「その毒があれば
魔物が大量に来ても一瞬で倒せるでしょ？
手汚さなくて済むからさ、楽なんだよね～」

…こんな恐ろしいことを
さらっと涼しい顔で言っちゃう北ちゃん。
敵にまわしちゃダメな子だ。うん。

慎「あ、そうだ！ほっくん、
忘れるところだった！

はい、領・収・書♡」

北「…チッ。覚えてたか…」

慎「当たり前！タダ働きはしません！」

俺は薬草を手に入れるために使った料金を
きっちり請求するため、
北斗に大きめの領収書を渡す。

北「は！？こんなにしたの！？」

慎「そりゃそうよ！だって森田さんと
清水川さんと鬼瓦さんにも
謝礼渡さないといけないからね！」

北「マジかよ～！
じゃぁ、いつもみたいに
次の『ハント』で俺の取り分から
差し引いとくわ～」

慎「まいどあり～～♪！」

俺は両手をモミモミしながら
北斗が「仕訳帖」に数字を書き込むのを見守った。