NEW WORLD ～6つの原石～２ (ページ39)

今日:2 hit、昨日:5 hit、合計:63,154 hit

図書館１ページ39

優吾side

俺は朝から落ち込んでいた。

父さんからの手紙の返信が無かったからだ。

父さんはいつも手紙を受け取ると
すぐに返信を送っていたし、
実際返信している所をよく見ていた。

父さんはマメな人だし、
手紙を放っておく人ではないはず。

だからこそ、不安になる…。
何かあったのだろうか。

そんな俺の心中を察してか、
ジェシーは朝から歌を歌ったり笑ったり
にぎやかだ。

「そのうち送ってくれるって」と言って
励ましてくれたジェスの言う通り、
とりあえず俺は返事を待つことにした。

そして今日も夢を見た。
内容はたいして昨日と変わりはなかった。

本がたくさん並んでいる場所に
男の人が二人…
ただ、なぜかキューがその二人に近づいていき、
話しかけられていた。

なんで…？
夢だから…？

そんなことを考えながら着替えていると、
ジェシーが「早く朝ごはん食べようよ～」と言うから
急いで下に降りることにした。

階段の下からは既に味噌汁のいい匂いがしてきていて、
相変わらずAがテキパキとお手伝いをしていた。

ジェシーがこれまた大きな声で「おっはよ～！！」と言えば、
Aも「あ、おはよう」と笑ってくれた。

良かった。
今日は元気そうだ。
肩にはキューも乗っていたから、
今朝の夢を思い出してボーっと撫でていると、
Aが俺の顔を覗き込んできた。

A「優吾…眠れなかったの？」

心配そうにそう聞いてきたAの顔が
案外近かったので
急に意識してドギマギしてしまう。

優「あ、いや、ちょっとまた夢見てさ。
キューが出てきたから…」

A「キューが？」

俺はしどろもどろになりながら答えた。

そうこうしているうちに
オキノさんが朝ごはんを持ってきてくれたから
作戦会議をしながら3人で食べ始めた。
俺は今朝の夢の内容を二人にも伝えた。

夢の場所は昨日行った本屋さんというよりは、
古い本も置いてある“図書館”が
夢のイメージに一番近かった。

昨日オキノさんに聞いたら
この街に図書館は無く、
隣の市まで行かないといけないらしい。

優「今日は早めに出発して
隣の市の図書館にも行ってみよう。

さっき地図で見たら少し遠いし…」

ジェ「優吾さ～空飛ぶ魔術とかないの？
タケ〇プターとかさ～」

優「いや、人をドラ〇もんみたいに言うな！」

Aはクスクスと笑っていた。
ドラ〇もん知ってるんだな…。