NEW WORLD ～6つの原石～２ (ページ22)

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ジェシーside

俺は一人で魔物を倒せた嬉しさと興奮で
走り出した！
いや～今日は最高の気分ですよ！
ちゃんと二人も
走って付いてきてくれてたしね(笑)

魔物を倒した場所から走ると、
すぐにオキノさんの宿に辿り着いた。

玄関を開けて大きな声で
「ただ今戻りました～」と言うと、
オキノさんが奥からパタパタとやってきた。

オキノ「おかえりなさ…
あら、あんた達濡れてるじゃない！
すぐタオル持ってくるから
そこで待ってて！」

また奥に戻って行ったオキノさんに向かって、
俺たちは「ありがとうございま～す！」と言った。

そこまでは濡れてなかったけど、
オキノさんのご好意に甘える事にした。

その瞬間、
ピカっと空が光って
ゴロゴロゴロー！！と
大きな音で雷がした。

優「うわっ！良かった～
雷鳴る前に帰ってこれて～」

ジェ「今の近くない？
光ってからすぐに音したよね？」

俺がそういうとまたすぐ
ピシャーン！！という大きな音とともに
辺りが白く光った。

俺はこういう音が苦手なので
思わず耳を両手で塞ぐ。

ジェ「うっわ～今日はもうずっと
こんな感じなのかな～…

…って、A…？どうした？」

ふと玄関のドアの方を見ると、
そこには閉まった玄関の前で
Aが呆然としながら立っていた。

俺が話しかけても固まったまま動かず、
その手が、かすかに震えているのが見えた。

ジェ「A…？A！？」

俺が両手で肩を揺さぶっても、
目を合わせようともせず、
そのまま一点を見つめて固まっている。

優「ジェシー、とりあえず
俺らの部屋まで運ぼう」

優吾を見ると、
眉間にシワを寄せて
焦った顔をしていた。

俺は頷いてすぐ
Aを抱き抱えて階段を登った。

その最中もAは黙って
人形のように俺に身を委ねていた。
Aの手の震えは止まらず、
俺の胸にもその細かな振動が伝わってきた。

Aの部屋を通り過ぎて
俺たちの部屋の前に着くと、
また雷がバーン！！と鳴った。

すると、Aの体がビクっと反応した。