NEW WORLD ～6つの原石～２ (ページ17)

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優吾side

構えの姿勢を取った俺たちの後ろで、
「どうしたの？」とAが立ち上がってしまった。

それを見た山賊たちはさらに
目を大きく見開いてAを指さした。

山賊「あー！リンゴ泥棒も居やがる！」

山賊に気付いたAは
慌てて俺とジェシーの後ろに隠れた。

優「リンゴを盗んだの…？」

そういえば、なんで追いかけられていたのか
聞いていなかったな。
後ろに隠れて縮こまっているAに
顔だけ向けて聞いてみる。

A「キューが、ね…
でも返したんだよ？」

もうこの時点で
状況は十分把握できた。

優「なるほどね(笑)」

ジェ「AHAHA！キュー最高だね！」

ジェシーに言われて、
Aのポケットがガサゴソと動いた。

山賊「ペチャクチャしゃべってんじゃねぇぞ、こらぁ！！」

山賊の一人が
そう言いながら俺たちに向かってきた。

だが次の瞬間、
それを袴塚が手で制止した。

袴塚「…やめろ。
ここは役所だぞ」

山賊「でもあいつは
よりによってリンゴを盗んだ奴です！

許せません…！」

山賊の一人がそう言うと、
袴塚はそいつの胸ぐらをつかんで
顔を近づけた。

袴「おい…俺の言うことが聞けねぇのか…？」

静かにそう言っただけなのに、
この距離でも、ビリビリと威圧感を感じた。

山賊「あぁ…いいえ…そういうことでは…」

袴塚がその山賊から手を離すと、
そいつはヘナヘナと床に座り込んだ。

ジェ「あいつ…何者だ…？」

優「ハンターの…
実質トップってことだろ…」

目に見えない
袴塚のオーラに俺たちは少したじろんだ。

すると、袴塚ともう一人の男が
俺たちに近づいてきた。

Aは俺たちの服を
後ろでギュッと掴んでいる。

俺たちはまた身構えた。