NEW WORLD ～6つの原石～２ (ページ16)

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宇賀神１ページ16

ジェシーside

Aがいるはずのソファを見るとその姿が無く、
優吾とキョロキョロしていたら
パンフレットが並んでいるラックの前に
ちょこんとしゃがんでいる後ろ姿が見えた。

なんか丸くてちっちゃくて
可愛いかよ！

優「何かいい情報でもあった？」

優吾がそう話しかけると、
「うん、これ…」と俺たちに
パンフレットのようなものを見せてきた。

そのパンフレットの表紙には
『ハンター名簿』と書かれており、
パラパラとページを捲ると、
『ハンター報酬ランキング』と書かれているのが
目に入った。

ジェ「1位すげぇ！こんなに稼げんの！？」

優「わっ！本当だ…。
億万長者も夢じゃないじゃん！

あれ、この1位の袴塚(はかまづか)って人と
2位の東(あずま)って人…
同じパーティーに所属してるって書いてある…」

ジェ「パーティー？」

優「チームの事だよ。
ハンターは一人でやってもいいし、
チームでやってもいいって事だろ」

ジェ「なるほど…！
どれどれ…これ何て読むの？」

パーティーの欄には
「宇賀神」と書かれていた。

優「ん～？ウガ…ジン…かな？」

優吾がそう言うと、
急に換金窓口の方がざわついた。
見ると、さっき俺たちに絡んできた奴らが、
入口の方を見て騒いでいた。

男１「おい！ウガジンが来たぞ…！」

男２「またすげぇ魔物倒したんじゃねぇか！？」

そちらを見ると、20～30人ほどの集団が、
ゆっくりと階段を登ってこちらに向かってきていた。

先頭に立っている男の人は、
めちゃめちゃカッコイイ人で、
ズボンのポケットに手を入れながら
その他の連中を率いていた。

男３「おい！袴塚だぜ…
俺初めて見た…！」

男１「あいつが役所に来る事なんてねぇもんな！
サイン欲しいわ～！」

他のハンターが騒ぐのも分かった。
袴塚と呼ばれた人は
もの凄いオーラがあって、
歩いているだけなのに目がいってしまう。

でも近寄りがたくて、
誰も声を掛けられないでいた。
俺と優吾も思わず見とれてしまう。

『宇賀神(うがじん)』と呼ばれたパーティーが
ゾロゾロと俺たちの前を通り過ぎていく。

すると、その団体の後ろを歩いていた一人の男が、
俺たちの方をみて急に「あー！！」と叫んだ。

俺たちも驚いてそいつを見ると、
なんと昨日Aを追いかけまわしていた
山賊の連中がいたのだ。

ジェ「うわっ、やっべ…！」

優「あいつら宇賀神の仲間だったのか…！」

すぐに俺と優吾は
“構え”の姿勢を取った。