NEW WORLD ～6つの原石～２ (ページ13)

今日:13 hit、昨日:5 hit、合計:63,165 hit

７ページ13

Aside

優吾が、私に気を遣ってくれたことが
あの目から分かった。

そして昨日、
初めて優吾と握手したときに感じた
不思議なあの感覚…。
さっき目があった時にもまた、
同じように感じた。
たぶん、なんとなく…

－私と優吾は似てる。－

何が似てると言われれば
言葉にするのは難しいんだけど…。

目が合った時、優吾の言いたいことが
直接心に届いたような気がした…。

なんだか気を遣わせて申し訳ない気持ちと
でも私が話すまで待ってくれることに
有難いな、と思った。

そしてその隣で心配そうにしてたジェシー。
今も私の手を握って、
明るく振舞って笑顔にしてくれている。

どうしてだろう？
ジェシーの笑い声を聞くと
私もつられて笑っちゃうんだ。
お腹のあたりが、なんだかポカポカする…。

＊＊＊

ジェシーと一緒に走ったから、
あっという間に市場に着いた。
優吾もなんだかんだ言いながら、
後ろを走って付いてきてくれていた。

今日は勝手なことをしないように、
キューは魔術でポケットから出られないようにしていた。
(ポケットの中で暴れてるけどね)

ジェ「ねぇ！あそこに本屋があるよ！
地図も売ってないかな？」

優「お、ありそうね。
行ってみよう」

本屋は3階建てで、
ありとあらゆる種類の本が整然と置いてあり、
難しそうな顔をした商売人のような人から、
小さな子供連れの家族まで
多くの人で賑わっていた。

A「わぁ～…すごい…」

ジェ「本、好き？」

A「うん！大好き！
でも家の近くに本屋さんとか図書館が無かったから…
家にある本を何度も読んでたの。

そのうちの1冊なんて
読みすぎてボロボロになっちゃって…」

ここまで話して
私は口を両手でパッと隠した。

恥ずかしい…
本屋に興奮して話しすぎた…

私は顔が熱くなるのを感じて
思わず下を向いた。

すると、
頭に大きな手のひらの重みを感じた。
チラッと上を見ると、
ジェシーが優しい眼差しで
頭をポンポンとしてくれていた。

ジェ「話したいことを、
話したい時に言ってくれればいいから、ね？」

A「うん…ありがとう…」

ジェ「へへっ、じゃぁ優吾の所へ行きましょう♪」

どこまでも優しいジェシーは
笑顔で私の両肩を押して
優吾の方まで連れていってくれた。