NEW WORLD ～6つの原石～２ (ページ2)

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ジェシーside

さっきから
優吾に見られてる気がして
振り向くと目が合った。

優吾は黒目がちなクリクリの目で
じーっと俺を見ている。
あ、何か心読まれてるかも…

ジェ「…俺に何かついてんの？」

そうじゃないことくらいわかってるけど、
敢えて優吾の反応を見てみる。

優「付いてないけど…
何か元気ないなぁって。
まだ体のどこか痛い？」

…やっぱり誤魔化せないか。

俺は観念して
優吾の前にストンと座った。

ジェ「…体はもうどこも痛くないよ。
Aが治してくれたから。

でも…」

言うかどうか迷ったけど、
吐き出したい気持ちが優った。

ジェ「また油断しちゃったなって…
あれだけ優吾パパに言われたのに…」

俺は優吾と受けた
試験の日の事を思い出していた。

試験には合格して、
こうやって優吾と旅は出来るようになったけど、
あの日の悔しさは
まだどこかに残っていた。

優「今日のは油断じゃねぇだろ。
今までで一番大きい魔物だったし…

しかも、日に日に襲ってくる魔物が
強くなってる気もするんだよな」

ジェ「うん…わかってる。
でもちょっと自分で自分が許せないっていうか…」

優「…」

こんなちっちゃな事でクヨクヨして、
優吾は呆れてるかもしれない。

あ～ぁ
こういうところが
俺ってまだガキなのかもな…

そんな事をグルグルと考えてると…

ジェ「うわっ！何っ！？」

イタズラっぽい笑みを浮かべた優吾が、
いきなり俺の頭を両手でわしゃわしゃとしてきたのだ。

ジェ「なんだよ！ちょっ！
くすぐったいって！

DAHAHAHAH～！！」

そのまま優吾にくすぐられて
涙目になりながら体を捩る。
やられてばかりでは悔しいから、
俺も優吾に反撃する。

優「ちょ！待って待って！
わ～ごめんごめん！」

力では負けないから、
体を押さえつけてくすぐると、
優吾も笑い声を上げながら、
すぐに涙目になって降参した。

しばらく俺たちは
フカフカの布団の上でゼーハーゼーハーと
息を荒げていた。

すると、優吾が思い出したように
ポツリと言った。

優「俺、ジェスのそういうところ好きだよ。
ちゃんと悩むところ」

ジェ「え？」

俺がぱっと優吾を見ると、
優吾はニコッと優しく微笑んで
布団に潜り込んだ。

優「さ、寝るか！」

しばらく優吾の言っている意味を考えていると、
優吾の布団からは寝息が聞こえてきた。

…俺も寝るか。

布団に潜り込むと、
すぐに眠気が襲ってきて
熟睡できそうだった。

本当に優吾はずるい奴だ…。