【忍たま】色恋にうつつを抜かせ【短編集】 続

女の子？ 2 ｰ久々知兵助ｰ ページ8

「ゲッなんで入ってきてる！」

久「いえ、豆腐のお代を･･･」

「あー貰ってなかったな、置いておいてくれ」

久「はい･･･あの、作るところ見ててもいいですか？」

「･･･まあいいよ、別に対して変わらないだろうし」

久「確かに･･･次は絞るんですよね」

「あぁ」

久「(･･･ん？裏に畑があるのか)」

「おい、勝手に行くなよ･･･」

裏口から出ると裏には大豆の畑がある。
ま、まさか大豆から手作りっ！？

この大豆の実り具合･･･実が大きくてずっしりしてる･･･っ
す、素晴らしい･･･っ！！

久「この大豆で豆腐を！？」

「あ、あぁ･･･父さんが育てて以来な･･･ってか勝手に入るなよ！」

久「すごい･･･あのっ･･･弟子にしなくてもいいです」

「は？」

久「ここでアルバイトさせてください！お金もいらないですから！！」

「ひ、必死な奴だな･･･」

考えながら俺を見てくる。
美味しい豆腐の作り方･･･それを見て盗めれば俺もいつか美味しい豆腐がっ

「わかった･･･ちょうど人手が足りなかったところだしな」

久「！ありがとうございます！！」

「その代わり、やってもらう事なんて雑用ばっかりだけど･･･」

久「是非！！」

「あっそ･･･ふっ･･･なんかお前って変なやつだな」

眉を下げて笑い始める。
笑ったら可愛い顔してるんだな･･･男っぽいのに。
それから頼まれたことを淡々とこなし、美味しい豆腐の作り方を見て盗む。

なのにまだ作れない･･･。

何が違うんだ･･･大豆も分けてもらってる。
作り方も俺と変わらないのに･･･なんで。

「よし、今日はここまでだな」

久「はい･･･あの」

「ん？」

久「美味しい豆腐･･･俺も真似して作ってるんですけど、ここの豆腐に及ばなくて･･･」

「･･･作り方なんてどこも変わらないだろ、そうだなー･･･強いて言えば」

奥の方に入っていき、小さめのツボを出してくる。
なんだろう･･･始めてみるな･･･。

開けた中身を見れば、ただの水･･･。
いや違う、これ･･･にがり？

「うちはにがりも手作りなんだよ」

久「えっ！？」

「それくらいしか心当たりないんだよな･･･」

久「な、なるほど･･･まだまだ勉強しがいがある！」

「そう思うなら良かったよ」

まだまだ美味しい豆腐を作りには先は長そうだ。
Aさんは今日もまた真剣に豆腐を作っていく。

なんとなく、この時間がずっと続いて欲しい･･･そう思った。

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