【忍たま】色恋にうつつを抜かせ【短編集】 続

できること 1 ｰ不破雷蔵ｰ リクエスト作品 ページ5

知ってる人も知らない人もいるかもしれないが、僕は迷い癖がある。
そう、何に関しても･･･食堂のメニューを決める時さえも迷って時間が無くなるくらいだ。

不「うーん、どうしよう･･･どっちにしよう」

竹「俺はBだ！」

鉢「私はA定食だ」

竹「三郎 お前魚食えよ」

鉢「骨取るのが億劫」

「あ、先輩達！おはようございまーす！」

鉢「おはよう、相変わらずうるさいな」

竹「元気なのはいいことだろ」

不「あ、おはよう」

「おはようございます！また迷ってるんですか？」

不「実はね･･･うーん」

「じゃあ私が一番に頼もーっと！」

鉢「コラコラ、そこは先輩に譲れって！」

「私がっ･･･一番だっ！！」

いつも彼女は僕の先を越す。
三郎を振り払い、食堂に一番最初に入る。

まあなんというんだろうか、負けず嫌いっていうのが一番正しいのかな。
Aを見てると何となく、早く決めて食堂に入りたくなる。

鉢「朝ごはんくらいもっとゆっくり食べろよ･･･」

「いいんです！一番に入って一番早く食べ終わります！！」

竹「じゃあ俺も早く食べよ」

「むっ！？」

不「ほらほら2人とも･･･」

「ご馳走様ァ！！」

竹「早っ！？」

「おばちゃん美味しかったー！ご馳走様ー！」

食器出して直ぐに走って出ていく。
活発で元気で･･･決断力があるって言うのかな。

何となくそれかずっと気になっていた。

少し危なっかしいから目で追ってしまう。
本の棚も高いところを無理して取ろうとしたり、一番になりたいがために落とし穴のある道を容赦なく進んで行ったり･･･。

その中でも可愛い一面や頑張り屋なところが目に入った。
いつも一番になっていた彼女は見えないところで努力して、頑張っている姿。

不「あ、A」

「ん、不破先輩･･･どうしたんですか？」

不「委員会で図書室に･･･Aは勉強中？」

「はい！次のテストに向けて！」

不「頑張り屋さんだね、あっ･･･そこの勉強ならそっちの本より･･･えーっと･･･あった、こっちの方が分かりやすく乗ってるよ」

「本当ですか！？」

不「うん、この本は少し応用が入ってるから･･･基礎ならそっち」

「ありがとうございます！」

満面の笑みを向けられて自分でも悪くない気持ち。
寧ろなにかしてあげたい、見守ってあげたいという気持ちが強くなる。

それからずっと僕は彼女のためになにか出来ないかと考えてる。

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