【忍たま】色恋にうつつを抜かせ【短編集】 続

そのままの君で 2 ｰ善法寺伊作ｰ リクエスト作品 ページ15

善「やあ、A」

「！？ぜ、善法寺伊作先輩！？」

善「偶然だね、街で会うなんて」

「は、はい･･･」

善「･･･落ち込んでどうしたのさ」

「っ･･･内緒です」

やっぱり話してくれないか･･･。
でも話してもらわなきゃ分からないな･･･。

でも、乱太郎の言う通り

善「なんだか最近痩せたね」

「！」

善「嫌なことがあって食が細くなったとかじゃない？裏山にすごく行くようになってるみたいだけど」

「ち、違います！」

善「じゃあ何があったか聞かせてくれる？」

「あっ･･･いや･･･」

善「ん？」

「っ･･･」

善「さっきの着物屋さんが関わってたりするの？」

「･･･はい」

善「そっか･･･何か言われたりとか」

「そうじゃないんです･･･私が原因なんです」

歩いていた足を止めて、服をぎゅっと握るA。
ここまでなるなんて･･･やっぱり嫌なこと言われたんじゃ･･･。

「･････････です」

善「ごめん、もう一度いいかな」

「太ってて･･･着物がきつかったんです･･･」

善「え？」

「みんな最近甘いものくれるから･･･調子に乗って食べすぎてるし･･･それにこの体型ずっと気にしてるんです」

僕らは善意で･･･しかも可愛いからと甘いものを与えた結果･･･。
本人はすごく苦しんでいたようで･･･なんだかすごく申し訳ない･･･。

善「･･･僕はそのままのAでも可愛いと思うけど」

「でもこんなんじゃ･･･好きな格好できないんです！」

善「じゃあ最近食事を減らしたり、裏山に行ったりしてたのは･･･」

「ダ、ダイエットです･･･」

善「そっか、何か嫌なこと言われたわけじゃないんだ･･･安心した」

「安心しないでください！」

善「ごめんごめん･･･でも･･･みんな今のAが好きだし、甘いものを食べてるAの笑顔を見るとこっちまで笑顔になれるんだ･･･
ダイエットってなると･･･Aの笑顔がみられなくなっちゃんだよな」

「うっ･･･」

善「だから僕に案があるんだ」

「え？」

Aの手を引っ張って、反物屋さんに行く。
欲しがっていた着物と同じ柄の反物があるはず･･･。

これは僕からのワガママとAの笑顔のため。

「あっ･･･この反物」

善「同じものだね、すみませーん」

『はいよー』

善「この反物で彼女の着物仕立てるのってどれくらいですかね」

「えっ？」

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