【忍たま】色恋にうつつを抜かせ【短編集】 続

AB型は分かりづらい 続 1 ｰ綾部喜八郎ｰ リクエスト作品 ページ12

あれから綾部先輩と会う機会がどんどん増えた。
やたらと絡んでくるし、何より距離が･･･と、とても近いのだ。

「あ、あの･･･綾部先輩？」

綾「ん？何？」

「いえ、きょ･･･距離がすごく･･･近い･･･気がして」

綾「そうかな〜」

なんていつも誤魔化される･･･。
な、なんというか･･･不思議な人だな。

近くにいないとすれば、落とし穴を掘ってる時くらいだ。

鉢「A〜･･･またくっつかれてるのか」

「は、鉢屋先輩」

綾「連れて行かせませんよ」

鉢「って言ってもな、委員会なんだよ」

鉢屋先輩に引っ張られると綾部先輩にとめられる。
く、苦しい･･･なんでこんなことになってるんだろうか。

鉢屋先輩は諦めて、委員会には出なくていいからなーと去っていく。

綾「フン」

「あ、綾部先輩」

綾「ん？」

「先輩は委員会に行かなくていいんですか？」

綾「今日は何も無い」

「そ、そうですか･･･」

綾「Aは僕のこと好き？」

「え？はい･･･先輩としても尊敬してます」

綾「そっかぁ」

そういうと満足気に離れて帰っていく。
な、なんなんだあの人･･･よく分からないな。

不思議というか･･･なんというか。

「そうだ、委員会行かなきゃ･･･」

？「A 喜八郎にいつもあんなことされてるのか？」

「た、滝夜叉丸先輩･･･あはは･･･はい、最近はいつもあんな感じです」

滝「･･･なるほどな」

「どうかされたんですか？」

滝「いや何、最近喜八郎が機嫌がいい理由がわかっただけだ」

「き、機嫌が･･･」

滝「同室の私からも言わせてもらおう、喜八郎のことよろしくな！」

「あっちょっと先輩！？･･･行っちゃった･･･」

よろしくって･･･一体何をすればいいんだろうか。
いや、むしろ今までどうりでいいのかな･･･。

そんなこんなで考えながら委員会に向かった

その日それで済んだのだが、翌日の朝。
体が重い･･･そう思って目を覚ますと、隣に泥だらけの綾部先輩が眠っていた。

「あ、綾部先輩！？」

綾「むあ･･･ふぁ･･･もう朝かァ･･･おはよう」

「ど、泥だらけですけど･･･大丈夫ですか！？」

綾「うん、穴掘りしてたら眠くなっちゃって･･･」

「そ、そうですか･･･ん？花？」

綾「あぁ･･･そうだ、これ渡したかったんだ」

「山茶花 この辺じゃ咲いてない花ですね」

綾「うん、君に見てもらいたくて」

だからこんなに泥だらけなんだろうか･･･。
そんな、私の為に･･･？

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