【忍たま】色恋にうつつを抜かせ【短編集】 続

子供だから 1 ｰ笹山兵太夫（成長パロ）ｰ ページ7

「まだ子供だから･･･大人になっても気持ちが変わってなかったらまた教えて欲しいな」

それを言われて五年。
俺は六年生にまでなって、日々あの人を思った。

毎年 伝えてるけどまだ子供、まだ子供と軽くあしらわれた。

ｶﾞｺﾝｯ

「うわっ！？」

笹「ははっ！また引っかかってやんの、鈍臭いよねぇ〜」

「へ、兵太夫･･･」

Aさんはくノ一から事務員になり、今も尚 忍術学園に残る俺の好きな人。
ムッとした顔で俺の頭を書類で叩いてくる。

笹「いい加減 ちゃんと周りみなよ、わかりやすいように印ついてるよ？」

「無理に決まってるでしょ！兵太夫のカラクリはすごいんだから、よけられません」

笹「なになに 俺のこと褒めてんの？」

「褒めてるけど、もう私の事からかうのやめてよ･･･」

笹「あんたが鈍臭いからだよ、別にあんたに仕掛けようなんて思ってないし」

「全く･･･他の子にあんまり危ないことしないでよ？」

笹「残念だけど、あんた以外ひっかからないよ」

「ぬぐっ･･･」

顔が引きつるAさんの顔を引っ張り変な顔にする。
あんまり怒った顔は好きでは無い
まあ怒らせてるのは俺なんだけども･･･それでも笑って流して欲しい。

「いひゃいよ･･･」

笹「ははっ 変な顔。んじゃあ次は気をつけろよ」

素直じゃない俺はいつも意地悪だ
そして、ひねくれていて全く気持ちを伝えられなくなった･･･。

もう四年生の頃から･･･素直になれなくなった。
しんベヱとおしげちゃんの仲をずっと見ている時にふと目が合ったときがあった。

笹『何』

『え？いや･･･たまたま目が合っただけだよ』

笹『ふーん･･･』

『なんだかあの二人って可愛らしいよね』

笹『･･･Aさんはあーいうの好きなの』

『私？』

笹『あんな風に言葉とかにして、素直に表してくれる人の方がいい訳？』

『まあ、伝えてくれると安心するし 嬉しいかな？』

笹『ふーん･･･まあどうでもいいけどさ』

過去の自分も今の自分も･･･だいぶ酷い。
けど、やっぱりそういうのがいいのなら俺が変わるしかない･･･からかってばかりじゃあ嫌われる。

･･･俺だっていつまでも子供じゃない。

それをしらしめるためにも･･･伝えたい。
もっと今より、意識して欲しい･･･。

笹「Aさん！」

走って追いかける
も、イタズラされると思いAさんも走って逃げていく。

絶対逃がさないっ！

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