【忍たま】色恋にうつつを抜かせ【短編集】 続

姿違えど 1 ｰ土井半助ｰ リクエスト作品 ページ44

今日は任務で山田先生と女装をして街へと出かけている。
そして何が嫌かと言うと･･･男装して、Aも着いてきているということ。

Aとは恋仲の関係であるが･･･あるからこそ！！
見られたくないし、恥ずかしさで帰りたいのだ。

「半子さん･･･大丈夫ですか？」

土「えっ！？あ、大丈夫です･･･あははは」

山「半子さん･･･なりきるのよ！！」

土「や、山田先生･･･いや、伝子さん･･･」

こんな状況でなりきれるわけがない･･･
それにしても･･･私の恋人がこんなにかっこいいなんて･･･やめてくれよ･･･。

「あ、伝子さん！」

山「全く･･･半子さん あなたはここで待ってて」

土「えっ」

山「その状態じゃ任務どころじゃなさそうだからね、行くわよAさん」

「はい･･･半子さん 一人で大丈夫ですか？」

土「ま、まあ･･･仮にも男なので･･･」

「直ぐに戻りますから待っててくださいね」

･･･なんだか、男としての自信なくなったちゃったな。
私の恋人･･･なんでこんなにかっこいいんだろう、それに比べて私は今すごく情けない･･･。

うつ向けば、私より小さい彼女が頭を撫でてくる。

「女装の土井先生もかっこいいですから、安心してください」

山「ほら、行くわよ！」

口を開けたまま背中を眺める。
ま、まさか･･･ここまでされるなんて･･･情けない半面、彼女のかっこよさに惚れ直してしまう。

･･･本当に、私にはもったいない相手だな。

任務が終わり、そのまま忍術学園に帰る。
流石に･･･疲れたし、自分の不甲斐なさがずっと頭にある。
それを知ってか知らずか･･･山田先生は先に部屋に戻って行った。

「･･･土井先生？」

土「ん？」

「いや･･･なんだか、暗かったので」

土「･･･なんだか情けなくてね、私だけ女装する時に恥じらいが隠しきれなかったし･･･」

「でも、恥ずかしい気持ちがあるのは分かります･･･私も恥ずかしいですから」

土「でもちゃんと割り切って仕事してたじゃないか･･･すごいことだと思うよ」

「･･･」

ﾎﾟﾝﾎﾟﾝｯ

頭をまた撫でてくる。
そんなに私に甘く接してくるのはAだけだよ･･･。

誰にもみられなうちに、場所を変える。
と言ってもAの長屋だけど･･･。
こうも学園勤務が多いと、どうも二人でいる時間というものが少ない･･･。

「大丈夫ですよ、私は土井先生がかっこいいのよく知ってますから」

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