狐の嫁入り 2 ｰ竹谷八左ヱ門ｰ ページ43
それからというもの、俺の部屋の前に作物が置かれるようになった。
Aさんからかな･･･と思いつつ、それを委員会のみんなで食べたり、餌にしたりとだいぶ使わせてもらった。
そんな時の夜。
「やあ」
竹「あっ･･･Aさん！」
「随分また届いたな」
竹「あははは･･･狐が返してくれたのかも、次会ったらお礼言わなきゃな」
「･･･優しいな君は」
竹「そんな･･･俺はなんにも、ただ怪我してるのを見つけちゃうと放っておけなくて」
「そうか･･･ところで今すぐ出れるか？」
竹「え？」
「見せたいものがある」
そう言って連れられて行ったのは山の中の泉の畔。
反対側には狐の群れが座って待っていた。
Aさんは畔に座り、俺に話をし始める。
「君が助けてくれたのは私の弟でな」
竹「親子じゃなかったのか･･･」
「ふっ･･･まあ勘違いするよな、君が着けていたのは分かっていた」
竹「えっ！？あ、そうなんだ･･･いやぁ･･･」
「ありがとう、弟を助けてくれて」
竹「いや、そんな･･･当たり前のことですよ、だって生物委員会ですから！」
「･･･そう言ってくれて嬉しいよ」
Aさんの笑みは妖美で、前に話しで聞いた玉藻の前を思い出す。
それは天下一の美貌を持ち、人に近づき生気を吸う妖怪。
まさか･･･。
「もし君が弟を殺していたら、私も君を殺していた･･･本当にいい人で良かった」
Aさんは立ち上がって結っていた髪を下ろす。
すると狐たちは山の中帰っていった、なにかの合図だったんだろうか･･･。
「これは私からの最大級のお礼だ」
竹「お礼っ･･･！？」
顎を持たれて口付けをされる
離れてすぐ狐に戻り、反対側の畔に行きお辞儀をしてから奥に消えていった。
竹「ば、化かされた･･･？」
こうして、俺の中の狐騒動は終わった。
そして･･･俺の初恋も簡単に奪われてしまった。
もう二度と会えないし、相手が狐となればもっての外だ。
鉢「おいおい、どうしたんだよ」
不「大丈夫？」
竹「いや･･･そうだ、三郎。Aさんって覚えてるか？」
鉢「あぁ、急に辞めちゃった人だろ？」
竹「変装してくんね」
鉢「無理」
竹「頼むよ！！」
鉢「嫌だよ、気持ち悪い！！」
俺は今でも、Aさんのことを引きずっている。
心のどこかで･･･また会えたらとか考えてるし、狐を見る度に捕まえたくなる。
狐に化かされると･･･あとが怖いというのを学んだ。
姿違えど 1 ｰ土井半助ｰ リクエスト作品→←狐の嫁入り 1 ｰ竹谷八左ヱ門ｰ
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ユリリン(プロフ) - メリークリスマス｡こんにちは。守一郎の話凄く爽やかで彼らしさが伝わってきで面白かったです。勘右衛門の話も読みました。どちらも最高です。素敵な作品２つも読むことができて嬉しいです。ありがとうございました。 (2022年12月24日 11時) (
レス) @page47 id: 6ebc36a5f7 (このIDを非表示/違反報告)
ユリリン(プロフ) - おはようございます。返信ありがとうございます。お待ちしています。 (2022年12月18日 7時) (レス) id: 6ebc36a5f7 (このIDを非表示/違反報告)
ルンバ(プロフ) - アズさん» かしこまりました、リクエストありがとうございます！かかせていただきます！ (2022年12月18日 1時) (レス) id: 82b205a2b3 (このIDを非表示/違反報告)
ルンバ(プロフ) - ユリリンさん» かしこまりました、リクエストありがとうございます！ (2022年12月18日 1時) (レス) id: 82b205a2b3 (このIDを非表示/違反報告)
アズ(プロフ) - こんにちは。リクエストいいですか？夢主ちゃんが尾浜勘右衛門に一目惚れし甘味が好きだと知り評判のお饅頭を買って勘右衛門にアタックする話。勘右衛門も夢主ちゃんに誘われて嬉しくて喜んでいたでお願いします (2022年12月16日 21時) (レス) id: 7fd9378bbe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルンバ故障中 | 作成日時：2022年11月14日 3時
