心美しき 4 ー鬼蜘蛛丸ー ページ34
夜になり、いつまで経って戻らないAさんの様子を見に行く。
カメ子ちゃん達には危ないからと待たせておいた。
鬼「あ、いた・・・A・・・さん?」
寝てる・・・のか、こんな寒いところで寝てたら風邪ひくけどな・・・。
触れていいもんなんだろうか、男性が苦手だから・・・触れてしまえば嫌がるかもしれないし。
けど起こさないと・・・
腹を決めて肩に触れようとする。
が、パッと目覚まし俺を押し倒し首に刀を押付けてくる。
月明かりに照らされてる姿はいつもに増して綺麗。
「何者だ」
鬼「お、俺です!鬼蜘蛛丸です!」
「はっ・・・も、申し訳ない!寝ぼけていたもので・・・」
鬼「俺は全然・・・寝ていたとはいえ触れてしまって申し訳ない」
「いえ・・・立てますか?」
鬼「はい、なんとか・・・」
刀をしまい、置いてあった笠を拾い上げる。
寝ていたにしてはすごい反射神経だな・・・。
鬼「寝てたのに・・・よく気づきましたね」
「寝てる時でも周りの音には敏感で・・・いや、でも・・・寝顔を見られたのは恥だ」
鬼「えっなんでですか?」
「いえ・・・カメ子様にも見せたことがないもので・・・」
鬼「なんでまた・・・」
「従者は主人を守るのが当然のこと、主人の前で寝るなど以ての外です」
鬼「でも寝てる姿はまるで子供みたいでしたけどね、そうだ!早く戻りましょ、カメ子ちゃんたちが待ってます!」
いつもとは違う顔が見れて俺的には珍しいものが見れたと思う。
行こうとすると足を止めてしまうAさん。
気が進まないのだろうか。
鬼「大丈夫ですか?」
「いや・・・なんだか、貴方は私の知ってる男性の印象とは違うな・・・と思いまして」
鬼「違う・・・とは?」
「素直で、優しくて丁寧な人だと思います。私の知ってる男性というのは暴力を振るい、モノのように扱う人ばかりだったので」
鬼「・・・あの、嫌じゃなかったら聞かせて貰えませんか?男性が苦手になった理由とか・・・」
「いいですよ・・・まあ簡単なものです、父親が母親のことを殺し、私をモノのように扱い殺そうとしてきたのが原因です。
それが一番初めの男性への印象です、酷いことばかりする人なんだと」
話している時の顔は暗かったが、何故か凛としていた。
原因は父にあり、そして全ての男性へと恐怖するようになったと言う。
だから・・・。
「だから私は男性より強く、逞しくなりたいんです。誰でも守れ様な」
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ユリリン(プロフ) - メリークリスマス。こんにちは。守一郎の話凄く爽やかで彼らしさが伝わってきで面白かったです。勘右衛門の話も読みました。どちらも最高です。素敵な作品2つも読むことができて嬉しいです。ありがとうございました。 (2022年12月24日 11時) (レス) @page47 id: 6ebc36a5f7 (このIDを非表示/違反報告)
ユリリン(プロフ) - おはようございます。返信ありがとうございます。お待ちしています。 (2022年12月18日 7時) (レス) id: 6ebc36a5f7 (このIDを非表示/違反報告)
ルンバ(プロフ) - アズさん» かしこまりました、リクエストありがとうございます!かかせていただきます! (2022年12月18日 1時) (レス) id: 82b205a2b3 (このIDを非表示/違反報告)
ルンバ(プロフ) - ユリリンさん» かしこまりました、リクエストありがとうございます! (2022年12月18日 1時) (レス) id: 82b205a2b3 (このIDを非表示/違反報告)
アズ(プロフ) - こんにちは。リクエストいいですか?夢主ちゃんが尾浜勘右衛門に一目惚れし甘味が好きだと知り評判のお饅頭を買って勘右衛門にアタックする話。勘右衛門も夢主ちゃんに誘われて嬉しくて喜んでいたでお願いします (2022年12月16日 21時) (レス) id: 7fd9378bbe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ルンバ故障中 | 作成日時:2022年11月14日 3時