【忍たま】色恋にうつつを抜かせ【短編集】 続

心の内 3 ｰ黒木庄左ヱ門ｰ リクエスト作品 ページ24

それからそれから。
僕とAの仲は格段と良くなり、Aは休みの日にはぼくの家で庄二郎の面倒も見てくれるようになった。

き「で？どうなの？」

笹「また2人で出かけるの？」

庄「え？まあ･･･」

笹「ですってよ、きりちゃん」

き「いやぁね、へいちゃん」

庄「一体なんの話ししてるの」

笹「いーや、何でも」

き「もうお前ら公認だからさ･･･何言っても無駄なんだよ」

庄「公認って･･･何が？」

笹「だって好きなんでしょ？」

庄「･･･」

好き･･･か、まあ確かにずっとそばにいたら好感は抱くようになった。
Aは僕のことをどう思ってるかも気になってはいる。

けど恋仲になるつもりは毛頭ない。

き「で、伝えないのかーい？君の気持ちぃ」

庄「伝えない、困らせたくないからね」

笹「余裕ぶってますわよ、きりちゃん」

き「これが大人の余裕なのね、へいちゃん」

庄「僕の一方的な気持ちだけじゃAも困るだろ」

席を立って長屋に向かう
そう、これは内に秘めておくべきなんだ。

けど伝えたら意識してくれるだろうか
伝えたら･･･Aも気持ちを伝えてくれるだろうか。

庄「ダメだ、ダメ」

「何がダメなの？」

庄「A･･･今声に出てた？」

「うん」

庄「そう･･･Aは･･･好きな人いるの？」

「うーん･･･好き、な人･･･はまあ･･･はい、います」

庄「そっか」

やっぱりいるよな、僕じゃなかったらきっと先輩だろうな。
大人の人の方がやっぱり好きなのかな･･･。

「誰か気にならないの？」

庄「気になる･･･けど、教えてもらうにもねぇ？」

「じゃあ、庄左ヱ門はいるの？好きな人」

庄「いる」

「へぇ」

庄「興味無い？」

「ある･･･かな？」

庄「･･･なんだか歯がゆいな、もう同時に名前言ってみない？」

「えっ！？」

庄「僕は言える人だよ、さあどうする？」

「ううっ･･･言う」

庄「うん、じゃあ･･･せーの！」

「「A/庄左ヱ門」」

お互いに目を見開いた後に笑い合う。
なんだ･･･不安になってたのがバカみたいだ。

「なんだ･･･庄左ヱ門は私だったんだ･･･」

庄「Aの方こそ」

「だって初めて私の本心話せた相手だもの」

庄「それは光栄だな･･･じゃあ僕達･･･恋仲？」

「そうだね、なんだかいつもと変わらないけど」

庄「そっか」

いつもと変わらない関係から、少し大人の関係に近づいた僕たちふたり。
なんだかいつもより新鮮な気持ちだ

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