【忍たま】色恋にうつつを抜かせ【短編集】 続

AB型は分かりづらい 1 ｰ綾部喜八郎ｰ リクエスト作品 ページ19

僕の落とし穴は彼女のために掘っている
少なくとも保健委員会のためでもあるが。

「あーやーべーせーんーぱーいー･･･」

穴から這い上がってくるのは三年生の学級委員長委員会のA。
いつも不注意で僕の落とし穴に落ちる。

綾「おやまぁ･･･怖い怖い」

「いい加減にしてください！この落とし穴でどれだけの人が迷惑してるか！！」

綾「でもちゃんと目印は置いてあるよ」

「ぬぐっ･･･」

綾「引っかかる人の不注意だと僕は思うけどなぁ」

鉢「その辺にしてやれ、綾部」

綾「げぇ･･･鉢屋先輩･･･」

鉢「確かに不注意ってのもあるが、さすがに下級生は気づかないだろ？危ないから程々にしてやれ。ほらA行くぞー」

「あ、待ってください！鉢屋先輩！」

Aが走っていくのを眺める。
僕は彼女から目が離せなくなっていた。

ずっと目で追い続けている。

食堂も、校庭も、図書室でさえも。
なんだか不思議な気持ちなのだ。

藤「あ、綾部先輩！また穴掘りですか！？」

綾「藤内か･･･うん、まあそんな感じ。」

藤「やめてくださいよ！三年生のみんな落とし穴で怪我しちゃったんですよ！？」

綾「あらら」

藤「まあ作兵衛に関しては･･･巻き添えだけど･･･」

綾「Aも怪我をしたの？」

藤「え？あぁ･･･多分？」

綾「そう･･･」

僕の落とし穴で･･･怪我しちゃうのか。
ならもっと浅いのを作らないとな。

彼女がケガしないような、いい穴を掘らなきゃな。













次「我慢の限界だァァァァ！！」

神「うるさいぞ、三之助！」

富「俺はお前らの方向音痴の方が嫌だけどな」

数「まあまあ落ち着いてよ･･･」

孫「ジュンコが危うく怪我をするところだったんだぞ！？」

藤「まあまあ･･･」

「疲れたー･･･って何してるの？」

富「三年生会議だ、A座れ」

「会議？」

孫「綾部先輩の落とし穴のせいで、僕達迷惑してるんだ！！」

神「僕は体育委員会の塹壕も迷惑だと思うけどな」

次「俺たちは後でちゃーんと用具委員会が埋めてくれるから」

富「落とし穴も塹壕も潮江先輩の頭突きで壊れた壁も！！全部！！用具委員会が治してんだよ！！」

「落ち着いてよ･･･まあ主に綾部先輩の穴ってこと？」

数「そうそう･･･保健委員会も迷惑しててさ」

「うーん･･･」

藤「僕はなんとも言えないけど･･･」

次「あ、そうだ！！Aが綾部先輩のこと見張っててよ！」

「「「「「「は？」」」」」」

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