【忍たま】色恋にうつつを抜かせ【短編集】 続

逃げよう 1 ｰ夢前三治郎（成長パロ）ｰ リクエスト作品 ページ16

夢「Aさん！」

「ん？どうしたの？三治郎」

夢「卒業前に言っておきたくて･･･僕！先輩が好きです！！だから･･･そのっ」

「ありがと･･･でも、三治郎はこれからまだまだ大きくなるから、大きくなってまだ気持ちが変わってなかったらまた伝えて欲しいな」

夢「はい！約束しますっ！」

指切りをしたあの日からもう五年が経った。
僕ももう卒業して、城の忍びとして就職した。

あれから一度もAさんとは会っていない。
会いたいな、どこにいるんだろ、なんて思いながらずっと過ごしてきたけど･･･本当に会えるのかなと不安が押し寄せる。

夢「今日はここか･･･」

忍びとしての仕事で、ある城の調査を命じられた。
とは言っても、何を企んでるとかを探るのではなく ここに派遣されている忍者と兵の数を探るということだった。

夢「(兵の数は･･･)」

大きな城ではないためあまり多くはなかった。
が、ここの城はとても優秀な忍者を雇っていると聞いた･･･もし先輩とかだったら、見つからずに調べられるかどうか。

ﾋｭｯ

夢「！？」

背後から襲われ、咄嗟に避ける。
忍者っ！？とりあえず屋外に逃げないとっ

屋外に逃げれば月明かりで相手の顔が照らされる。
覆面をしてるけど見覚えのある目元だった。

夢「嘘･･･っ」

「フッ！」

夢「ちょっと待ってください！うわっ！？」

屋根の上でくノ一に押さえつけられる。
女の子とは思えないほどの強さ、たくましさ。

喉元に苦無が刺されそうになる。

夢「Aさんですよね！？」

「！」

夢「僕です･･･三治郎です･･･ようやくっようやく会えたっ」

「･･･なんで」

苦無を喉元に押さえつける手を緩めもせずに質問してくる。
なんでって･･･会えたのは本当にたまたまだけど･･･。

「忍び込んだ理由は」

夢「･･･兵の数と忍びの数の調査です。うちの殿はこの城に攻めるなんてことは考えてません、ただどれだけ攻められても落ちないので･･･」

「安易に敵に情報を与えるな、三治郎」

苦無を離して、口元を見せる
あぁ･･･やっぱりAさんだ、変わらない･･･。

いや、中身は変わってしまったのだろうか･･･。

「早くこの城を出ろ、今なら見逃す」

夢「･･･もっと沢山お話がしたいです」

「ダメだ、直ぐに出ていけ」

夢「っ･･･変わっちゃいましたね･･･」

「･･･私も変わりたくはなかったさ」

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