【忍たま】色恋にうつつを抜かせ【短編集】 続

迷子 2 ｰ竹谷八左ヱ門ｰ ページ2

言われた通りに向かうとそこには本当に洞穴が。
でもなんでそんなこと知ってるだ･･･？

「私よくここで迷子になるんです、帰れない時はこの洞で過ごしてたんです･･･怪我も良くするし･･･簡易的な手当ならできるようになりました」

竹「そういうことか･･･」

ｸﾞｩｩｩ

そ、そういえば･･･腹減ってたんだった･･･。
兵糧丸が確かあったはずなんだが･･･もしかして落としたのかな･･･。

「あ、私のこのご飯あげますよ」

竹「干し飯か！準備がいいなー･･･」

「迷子になるのは慣れてるので」

竹「なんだか頼もしいな･･･」

ﾉｼｯ

洞の入口から何かが入ってくる。
また動物か･･･？むやみに殺したくは無いがっ

Aをかばいながら苦無を構える

「ま、待ってください！」

竹「A？」

「さっきのイノシシみたいです･･･苦無を下ろして貰えますか？」

竹「本当に大丈夫なのか？」

「はい･･･多分」

竹「･･･わかった」

苦無を下ろしてAの前からどく
Aはイノシシに向かって手を伸ばす。
目を合わせないように、逸らし･･･匂いを嗅がせていた。

しばらく嗅いだあと、何もごともなかったかのように洞に入ってきて座り込む。

竹「す、すごいな･･･！」

「敵意がないのを見せれば大丈夫です、ここの洞は元々ここの親子のだったみたいだし･･･」

竹「それは悪い事をしたな･･･」

「大丈夫ですよ、朝になるまでここで過ごさせてもらいましょう」

竹「だな･･･Aがいて助かったよ･･･頼りになるな！」

「迷子のプロですから」

ふざけた会話をしているうちにお互い眠くなっていく。
Aを膝に乗せて少しだけ眠る。




どれくらいだっただろうか･･･。
眩しくなり、目を開ければ朝日が差し込んでいた。
あのまま寝ちゃったのか･･･。

Aもまだ寝たままか･･･。

おぶって洞を出ていく
今度野菜とかここに持ってきてお礼しなきゃな。

でも、Aの新しい一面が見れて新鮮だった。

まさかあんなに簡単に動物を手懐けて、対話するなんて。
Aは将来生物委員会のいい委員長になるだろうな。

本当に今回に関してはAに助けられた･･･。

俺がどんだけ動物を知らないかも今回の件でわかった。
まだまだ勉強することは沢山ありそうだな･･･。

竹「･･･ありがとな、A」

「･･･ｽｰｯ」

竹「聞こえてないか･･･」

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