【忍たま】色恋にうつつを抜かせ【短編集】 続

迷子 1 ｰ竹谷八左ヱ門ｰ ページ1

三年生は迷子になる2人がいると有名な忍術学園。
しかし、一年は組にも負けないくらいの方向音痴の女の子がいる。

「あれ？」

竹「こっちだ！」

「あれれ･･･おかしいなぁ地図だとこっちですよ？」

竹「逆さまだよ･･･よく見てくれ、頼むから」

「あ、本当だー」

俺はそのお目付け役というわけだ。
この子は生物委員会の後輩･･･そして、その活動中だったのだが･･･。

みんなとはぐれてしまったのだ。

「あ、見てみて竹谷先輩！見たことない蝶々です！」

竹「能天気だな･･･」

「ん？あ、薬草だ･･･これつんでいこうっと」

竹「下手したら今日中には学園にもどれないな･･･」

「大丈夫ですよ、何とかなりますって」

竹「簡単に言うけどな･･･ん？その肩に乗ってる動物って･･･リスか？」

「え？あ、本当だ」

竹「動物には好かれるんだからなーもう･･･とにかく休める洞を探そう」

元気よく返事をするA･･･いや、この状況でそんな元気な返事･･･。
まあ可愛いからいいんだけどさ･･･いやよくない、この状況は良くない。

ｶﾞｻｯ

竹「ん？」

「ウリ坊ですね、まだ小さいなー･･･よしよしっ」

竹「ウリ坊･･･ってことは･･･っそいつから離れろ！」

「え？」

言うのが遅かった
Aの後ろから猛突進してくる母親のイノシシ。
走ってAを抱きかかえたが、その先の崖から落ちていく。

ｻﾞｻﾞｯ

高さがあんまりなくてよかった･･･けど。
これじゃあ学園に帰れない･･･。

「た、竹谷先輩大丈夫ですか！？」

竹「いやこれくらいはなんともない･･･それより怪我はしてないか？」

「だ、大丈夫です･･･」

竹「ならよかった･･･ったく気をつけろよな」

「ご、ごめんなさい･･･」

竹「あ、いやそんなに落ち込むなよ！ほら、今からでも帰ろう！な？」

Aは泣くのを我慢して元気よく返事をする
にしても･･･帰れるのかな･･･これ。

Aはいつもこんな目にあってるって考えたら･･･。
ものすごく不安だ、1人で出歩かせたくない。

竹「いっ･･･足くじいたらな･･･まいったな」

「あっさっき薬草つんだので･･･えーっと･･･」

慣れた手つきで薬草をすり潰して足に塗り、自分の頭巾で俺の足を固定する。
保健委員でもないのに･･･なんでこんなこと。

「よかった･･･ここの先に洞穴があるので行きましょう」

竹「え？あ、あぁ･･･」

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