優秀な軍医は退職して一般ピーポー ①【鋼の錬金術師】 (ページ43)

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誰とも連絡が取れぬまま、北方司令部に連れて行かれる。
まさか･･･こんなところまで･･･っ

キンブリーさんは偉そうに座り、私はその後ろにたっていた。
後ろにたっていても逃げられない･･･何故かと言えば、首輪を繋がれているからだ。
繋がれた紐はキンブリーさんの手の中。

『なんだよ、あの偉そうなやつ･･･』

『中央のお偉い方が寄越した人だ、なんでも傷の男の処遇はあの男の一任だとよ･･･』

『あの繋がれてる女はなんだ？』

『さてね･･･錬金術師の考えてることなんか分かりたくない』

ｷﾝ「(殺してしまおうか･･･)」

どうしたら現状が良くなる。
せめて連絡出来れば･･･。

いや、してどうするんだ。
助けを乞うのか？

ダメだ･･･誰も巻き込んではいけないっ

『ノースシティ駅貨車ターミナル付近で傷の男らしき人物が目撃されました。今さっきです』

ｷﾝ「同行者は」

『一名確認、中年男性で髪は黒。中央からの報告通りです』

ｷﾝ「よろしい、私の仕事です･･･あなた達は邪魔をしないように、行きますよ」

「お言葉ですが、私が行っても邪魔になるだけですが」

ｷﾝ「盾にくらいはなるでしょう」

『おいおい･･･』

『しっ！』

「そうですね、名一杯邪魔させてもらいます」

ｷﾝ「いいですね･･･その反抗的な瞳、そそられる」

「触らないでください」

強気で行け、今はまだ殺される心配は薄い。
ただ･･･エンヴィーから何か言われたら終わりだ。

その時がきたら･･･石を隠して死ぬ。
それでいい･･･それで。

貨車ターミナルに連れていかれる。
もちろん、レディファーストで列車に乗せられる。

「(本当にゴミクズだ･･･)」

ｷﾝ「結構･･･ドクター･マルコーですね？」

「はっ･･･？」

ｷﾝ「お迎えにあがりました、もう逃げられませんよ。おひとりですか？傷の男はどこに？」

フードを深く被っている男。
嘘だ･･･マルコーさん･･･なのか？

にしてはちょっと背が少し高いような気が･･･。

ｷﾝ「往生際が悪いっ･･･逃げられないと言ったでしょう！ドクター･マルッ･･･」

フードが取れて顔が顕になる。
だ、誰･･･？知らない人･･･なんだけど。

ふと首輪に繋がれた紐を見る。
手から離れてるっ

逃げるべきか？

選択を考えていると突如として人がキンブリーさんを襲う。
褐色の肌に赤い瞳･･･何度も見ては目を背けた人々と同じっ

「イシュヴァールッ･･･」