優秀な軍医は退職して一般ピーポー ①【鋼の錬金術師】 (ページ42)

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ｷﾝ「では私が面白いものに変えてあげましょうかね、もうひとつ石ありますよね」

ｴﾝ「あぁ･･･確かこの石は囚人だったかな、もう忘れた」

ｷﾝ「結構では口を開けてください」

「っ･･･」

ｷﾝ「強情ですね･･･」

ｷﾞﾘｯ

歯を食いしばり、口を開けないようにする
が、キンブリーの指がこじ開けさせてくる。

嫌だっ･･･嫌だっ

ｶﾞﾘｯ

ｷﾝ「･･･っとんだ野犬だな、致し方ない」

賢者の石を口に含み、少し開いてる私の口に移してくる
ドロっとした鉄のような、よく分からない味をしてる石･･･。

ｷﾝ「っ･･･くくっいいですね、その顔･･･絶望に満ちた顔！実に素晴らしい、美しいですよ･･･」

「クソッタレ･･･うっ」

ｷﾝ「おっと、吐き出させませんよ･･･貴方はこれからたくさんの人の命を抱えて生きるんです」

「ふざけるなっ･･･」

ｴﾝ「ますます手放す訳にはいかなくなったな」

「クソ野郎共っ」

ｷﾝ「何度でもどうぞ･･･ですが、逃げ出せば･･･あの病院の人達はみんな地獄送りにします」

ｴﾝ「そうそう、大人しく言うこと聞きな」

「･･･」

私は･･･やはり無力だ。
飲まされて、殺されると脅されて･･･。

従うしか･･･ないのかっ
大人しく飼い慣らされるしかないのかっ

いや･･･全てを救うためには自分を犠牲にする他ない。

「わかりました･･･言うことを聞きます」

ｷﾝ「おや」

「ですが、条件があります」

ｴﾝ「フーン･･･どんな？」

「私が捕虜になる代わりに、病院の人たちには手出ししないこと。あと･･･マルコーさんの代わりに私が石を作ります。もう･･･解放してあげてください」

ｴﾝ「いいね、その条件気に入った」

「！」

ｴﾝ「いいよ、飲んでやるよ･･･けど、もしそれがはったりや嘘だったら･･･お前の周りの人間全員殺す、わかった？」

「･･･わかりました」

ｷﾝ「で、彼女をどうするですか？」

ｴﾝ「まあとりあえず、面白くなりそうだからキンブリーに任せる。もし逃がしたらどうなるかは分かるだろ？」

ｷﾝ「おぉ･･･怖い怖い、まあ･･･この子はそんなに馬鹿な子じゃないので、大人しくはしてると思いますよ」

最善を考えろ。
頭を回せ･･･どうすればいい。

私の命が尽きてもいい、人を助けろ。

せめてキンブリーと人造人間が繋がってると伝えなきゃあとが面倒になる。
それに･･･私が石を持ってることも。

ｷﾝ「いい目になったな･･･元軍医」