優秀な軍医は退職して一般ピーポー ①【鋼の錬金術師】 (ページ39)

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ｷﾞｼｯ

音を立ててベッドからおりる。
マッサージを一段落終えられたから･･･今度は足浴だな。

ﾊﾎﾞ「結構力入れてたろ、疲れてないか？」

「そりゃあ疲れますよ」

ﾊﾎﾞ「お、おう」

「･･･足は必ず治します」

ﾊﾎﾞ「！」

「治ったら、私にも同じことしてくださいね」

ﾊﾎﾞ「･･･新手の口説き文句か？」

「好きに受けとってください、足浴用の物取ってきます」

部屋を出て器具を取りに行く。
お湯も沸かさないと･･･。

結構筋肉質なんだな･･･大佐のがちょっとヒョロいんだ。

『あっAさん！』

「おや･･･」

『まだ帰ってなかったんですね、ちょうど良かった！』

「なんですか？」

『軍の方からお電話です』

「･･･軍が一体なんの用で」

『急ぎだとか』

「直ぐに･･･あ、そうだ。これ足浴やっといてあげて」

『はい、確か軍の方ですよね？』

「あぁ」

大佐だろうか･･･いや、あの人は直々に来るはずだ。
･･･まさか変なやつじゃないだろうな。

「お待たせ致しました、A･トールです。ご要件は」

？『アメストリス軍のものです、至急お話を伺いたくお電話しました』

「要件を」

？『要件は電話越しでは言えません、お急ぎこちらの方に』

「･･･申し訳ありませんが、私は医者ですので持ち場から離れる訳には行きません。
軍を名乗っているようですが、お名前も知らない方へ会いに行くのは気が引けますので」

ｶﾞﾁｬﾝ

マスタング大佐が関わっているようには思えない。
軍のトップはキング・ブラッドレイだったな･･･。

そろそろ私も死期が近いってことか。

『あれ、お電話済んだんですか？』

「ええ、もしこれから軍の方から電話が来た場合まずお名前を聞いてください･･･話はそれからです」

『はーい』

「足浴もう済んだんですか？」

『はい、手っ取り早く！』

「ありがとうございます」

殺される未来は目に見えてる。
今は助けられる命を繋げて行くだけだ･･･怖がるな。

人間なんていつかは死ぬ物じゃないか。

「失礼します」

ﾊﾎﾞ「電話いいのか？」

「･･･聞いたんですね、ええ･･･済ませましたとも」

ﾊﾎﾞ「そうか、ならいいんだけどよ･･･大佐からか？」

「いえ、知らない人です･･･まあ気にすることないです、どうせすぐに終わる」

ﾊﾎﾞ「･･･？」

「あとハボックさん鍛えるならちゃんと腕も鍛えてください」

ﾊﾎﾞ「はいはい･･･」