優秀な軍医は退職して一般ピーポー ①【鋼の錬金術師】 (ページ38)

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朝の検診を終えてから、午後休になる。
やっと休みだ･･･足の怪我も肩の怪我も･･･まあ痛いけど動けるようにはなってきた。

私服に着替えてから、ハボックさんの部屋を尋ねる。

ﾊﾎﾞ「ん？なんだあんたか･･･あれ、白衣じゃないんだな」

「午後休なので」

ﾊﾎﾞ「じゃあ家帰るのか」

「いえ･･･今からやるのは時間外労働です」

ﾊﾎﾞ「は？えっあ、ちょっと！？」

上にかかっている毛布をはぎ、足の下にタオルを引く
足重い･･･さすが軍人だってだけあるな。
ベッドの下の方に座り、ズボンを軽くあげる。

ﾊﾎﾞ「何してんだよ･･･」

「今からマッサージします」

ﾊﾎﾞ「マッ･･･なんで？」

「足をずっと動かしてないと床ずれして、そこから壊死してしまうからです」

ﾊﾎﾞ「壊死って･･･」

「簡単に言うと腐ります」

ﾊﾎﾞ「うわっ･･･」

「それにマッサージして神経を刺激し続ければ少しは反応が出るかと思いまして」

オイルを手に垂らして、足の裏からふくらはぎにかけて揉みほぐしていく。
固い･･･男性ってだけでこんなに変わるのか･･･。

ﾊﾎﾞ「別にそこまでしてくれなくても」

「頼まれた以上･･･最善を尽くします」

ﾊﾎﾞ「･･･医者の鏡だな」

「後で足浴もしてましょうか」

ﾊﾎﾞ「ってかなんで勤務外でこんなことしてくれんだよ、あんたの貴重な休みだろ」

「別に･･･帰っても部屋の片付けが待ってるので」

ラストに襲われてから帰ってない。
自分の家なのに･･･帰るのが怖い。

今は出来ればこの病院から出たくない。

ﾊﾎﾞ「そういや、ソラ･･･いや、ラストってやつがお前のこと襲ってあそこに連れてったんだよな」

「･･･はい」

ﾊﾎﾞ「家で襲われたのか」

「はい･･･だから帰りたくないんです」

ﾊﾎﾞ「･･･まあ人が多い方が安全だもんな」

「どうでしょうか」

ｺﾞﾘｯ

結構強くやっても反応無し･･･今のところ信号が全てイカれてるな。
というか･･･腕に結構来るな、肩も痛いし･･･いやっ我慢だ、ここで弱音なんか吐くな。

ﾊﾎﾞ「あーぁ･･･」

「なんですか」

ﾊﾎﾞ「いや、あんたも苦労してんだなって思ってよ」

「人間みんな苦労はするものです、次は反対の足です」

ﾊﾎﾞ「悪ぃな、何から何まで」

「･･･好きでやってますから、それに私も貴方に助けられてます」

ﾊﾎﾞ「俺が？」

「まあどんな風にとか言うつもりはありませんが」