優秀な軍医は退職して一般ピーポー ①【鋼の錬金術師】 (ページ31)

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昼時･･･大佐がいない間に部屋を尋ねる
どう説明すればいいのやら･･･本人はあらかた予想が着いたような顔でため息を着く。

「･･･治しきれず、申し訳ありません」

ﾊﾎﾞ「別にあんたのせいじゃない、暗い顔すんなよ」

「･･･」

ﾊﾎﾞ「それにな、ただ俺の女運が悪いだけだよ･･･」

下半身不随。
脊髄は傷がつけば治ることなんて奇跡･･･度合いにも寄るが、滅多におこならい。
奇跡･･･か、命を繋げる奇跡はあっても繋げたあとがこれじゃあ･･･見せる顔がない。

ﾊﾎﾞ「･･･頭上げてくれよ」

「私は･･･あの現場で･･･最良の判断を下したつもりでした、止血し病院に運び･･･手術をしました。
けど･･･けど･･･っこんな形で命を繋げるつもりは」

ﾊﾎﾞ「本当･･･まさかこんな形でリタイアする羽目になるなんてな、俺が一番驚いてるよ」

奇跡があるなら･･･彼のために使って欲しい。
そんな魔法みたいな力があるならっ

頼むから･･･っ

「最善を尽くします」

ﾊﾎﾞ「は？」

「神経信号がダメになっているなら･･･人工で作れるようにします、何年かかるか分かりませんが」

ﾊﾎﾞ「おいおい、やめとけよ･･･時間の無駄だ」

「いいえ、それが結果が出るにしろ出ないにしろ･･･やらなきゃ奇跡は起きません」

ﾊﾎﾞ「奇跡、奇跡って･･･あのなっもう動かねぇことは変わりねぇんだぞ！？」

怒りたくなる気持ちも分かる。
確実に治らないと診断されても尚、永遠と治療されなきゃいけない。

でも、諦めてしまって繋がった命すらまた切られてしまう。
ハボックさんの前に膝ついて座る。

温かい手を握る

「･･･人間は生きるために、何度も奇跡を起こします。貴方が一命を取り留めたのも奇跡です。
子供は産まれてくるとき死産や流産のリスクを背負ってお腹に宿ります。もし安全に生まれたとしても、事故や病気･･･なんらかのことで死ぬことがあります。
今、生きてることが･･･奇跡なんです。命があって呼吸して、血を流せるのが･･･。
信じてください、私が貴方のために･･･奇跡を起こします、だから･･･諦めないでっ」

こうなってしまった責任。
私の不甲斐なさ･･･せめてもの償い。

諦めないで

ﾊﾎﾞ「･･･あんたって馬鹿だ、そんな奇跡･･･探したって見つからねぇよ」

「何年先でも、何十年先でも･･･あるいは何百年でも･･･私の研究や結果がその先の未来につながって、患者が減るならば･･･何でもします」