優秀な軍医は退職して一般ピーポー ①【鋼の錬金術師】 (ページ26)

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ファルマンさんと離れて車に乗り込む。
優しい･･･か、当然のことをしただけでそう思われるなんて･･･なんだか気の毒だ。

ﾊﾎﾞ「･･･さっき聞いた話」

「はい」

ﾊﾎﾞ「大佐には言わないでおく、ファルマンにも言わせないようにするよ」

「えっ･･･なんでですか」

ﾊﾎﾞ「あんただってあの賢者の石の件に関わりたくて関わった訳じゃないだろ。
大佐だってあれくらいの情報もう掴んでるよ、第五研究所にお前が通ってたのは知らねぇとは思うけどさ」

「･･･」

ﾊﾎﾞ「あのくせ者のバリーがお前のこと優しいって言ってんだ、この話してこれ以上あんたのこと苦しめたくないから」

「本当に･･･ハボックさんは馬鹿な人ですね」

ﾊﾎﾞ「ばっ！？」

「ありがとうございます･･･楽になりました」

馬鹿みたいに優しい人
だからこそ人から好かれている気がする。

思わず笑みがこぼれる

ﾊﾎﾞ「よくわかんねぇけど･･･笑ってくれてんならいいや」

「人殺し」

ﾊﾎﾞ「？」

「そう･･･キンブリーさんに言われたことがあるんです。
死んだ人から治療法を学び、手立てを見つけた数だけ･･･人を殺してる。一理あるかもしれません、その人の死から学べるものだってある･･･」

ﾊﾎﾞ「けどそれが人殺しになるかどうかは違うだろ」

「人殺しですよ･･･多分」

ﾊﾎﾞ「それを言ったら軍人全員人殺しだよ、国の命令とは言え･･･他国のヤツらや知らない奴らを銃で撃って殺してる。
国の為に殺すのも･･･人殺しだろ」

「そうですね、戦争になれば多くの人を殺した分だけ称えられる･･･おかしな世の中ですね」

他国の人を助けようとした時に止められた
キンブリーさんにだ･･･虫けらを見るような目で。

ｷﾝ『国を裏切るんですか？』

『･･･私は人を助けに来たんです』

ｷﾝ『そんな甘い考えだからいけないんですよ･･･この手･･･消しましょうか』

『えっ･･･』

ｷﾝ『･･･嘘ですよ、貴方は素晴らしいお心を持っているようですが･･･戦争には邪魔な感情です。捨てなさい』

あの人の言葉が私を蝕むのだ。
人殺し、偽善者、裏切り者。

ずっとずっと嫌な記憶として残る。
あの人は･･･私をどうしたいんだろうか。
いつか聞いてみたいことではある･･･

ﾊﾎﾞ「ここでいいか？」

「･･･ん？あ、ありがとうございます･･･」

ﾊﾎﾞ「そんな調子で･･･1人で平気かよ」

「まあ･･･大丈夫ですよ」