優秀な軍医は退職して一般ピーポー ①【鋼の錬金術師】 (ページ24)

今日:49 hit、昨日:14 hit、合計:27,854 hit

23 ページ24

「人殺し･･･」

飴を舐めながら屋上でつぶやく。
軍医になれば人殺しが名誉になるのか･･･。

軍に守られてるからか･･･。

「もう･･･これ以上･･･人を殺させないでくれよ」

医者は･･･人を救うためにいるものだ。
なのに軍医は完璧にそれは出来ない。

環境が悪く、清潔じゃない。
その中で致命傷のヤツらを死にものぐるいで助ける･･･助けるつもりでいるのに。

死んでいく。

冷たくなって、息絶えていく。
その人たちの母親は涙を流し、国のために･･･役に立ったんだと、そう言い聞かせて帰っていく。

そんな姿見るのも･･･もう嫌なんだ。

「･･･嫌なんだよ」

『あ、ここにいたんですね！』

「あ？･･･今日･･･診察あったっけ･･･」

『いえ、面会です』

「面会･･･？」

急ぎ足で向かえば、よく見なれた青い服の方。
ははっ･･･場所が分かればいつでも来るんだな･･･迷惑な。

あ、でも今日大佐いない。

ﾊﾎﾞ「悪いな、急に来て」

「いえ･･･なんの用でしょうか」

ﾊﾎﾞ「何、医者としての意見が聞きたいことがあってな･･･ついてきてくれ」

「仕事中なのですが」

ﾊﾎﾞ「聞いた話じゃあ今日診察ないんだろ。それに午後休らしいな」

「ﾁｯ」

ﾊﾎﾞ「そんな嫌な顔すんなよ、病院前に車止めてあるから」

誰だ･･･誰が伝えた。
まあ詮索しても無駄か･･･どうせまたしょうもない内容だろうし、着いてくだけ着いてって帰ろう。

車を走らせて着いたのはふるい建物の街並み。
こんなところ中央にあったんだな･･･。

車をおりて連れていかれたのはひとつの部屋。

ﾊﾎﾞ「ファルマンハボックだ･･･見舞いに来たぜ」

ﾌｧ「ハボック少尉！あれ、それに医者の･･･」

「訪問診療は私の役目じゃないですが」

ﾊﾎﾞ「見てもらいたいのはこいつじゃねぇ」

？「あん？･･･あぁぁぁぁぁぁ！？！？」

「えっなに･･･」

？「お前だけは覚えてる！！」

ﾊﾎﾞ「落ち着け、バリー！！」

ﾊﾞﾘ「こいつ研究所で見たやつだ！！」

バリー？第五研究所･･･。
たしか過去に死刑囚にバリー・ザ・チョッパーって･･･

ﾊﾞﾘ「こいつもしかしたら関わってるやつだぞ！」

ﾊﾎﾞ「っていう見解らしいが･･･どうなんだ？」

「最近のことはよく知りません」

曖昧な返答をする
バリー・ザ・チョッパー･･･殺人鬼。
死刑囚･･･そんな情報しか頭にはない。

都合のいいことしか覚えるつもりは無いからな